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赤黒軍団の次なるフェーズは「自立」。個々の自覚が増した駒澤大高が延長にもつれ込む激闘を制す!

ゲキサカ / 2022年6月13日 11時43分

 だが、“乱気流”は終わらない。11分は実践学園のターン。左サイドでボールを持ったMF関根太陽(3年)は中央を見据えると、ピンポイントクロスを供給。ニアに飛び込んだFW瀧正也(3年)のヘディングが、そのままゴールへ吸い込まれる。2-2。同点。「ああならないように準備してきたつもりだったんですけどね」とは亀田監督だが、あっという間に双方が2点ずつを奪い合う。

 以降は実践学園がボールを動かしつつ、駒澤大高が速いアタックを狙う構図が繰り広げられる。「本当はもう少し自分たちがボールを保持する時間を作りたくて、ここ2週間も準備はしてきていたんですけど、なかなか出口を作れなくて、勇気も持てなくて。ただ、逆に言えばそれを自分たちの優位に持っていけるような時間に変えていこうということで、多少握らせるぐらいの感覚でやるようなことを、受け入れてやっていた感じですね」とは亀田監督。拮抗した時間が続いていく。

 決定機はお互いにあった。後半2分は実践学園。右サイドをMF関根宏斗(2年)が運び、グラウンダークロスに瀧が合わせるも、軌道はわずかに枠の左へ。最終盤の40分も実践学園。MF古澤友麻(2年)の右クロスに、ファーへ飛び込んだMF松田昊輝(2年)のヘディングは駒澤大高GK廣田遥輝(3年)がビッグセーブ。40+1分は駒澤大高。スローインの流れから、松原の右クロスに投入されたばかりのFW木島凛人(3年)が突っ込んだが、わずかに届かない。80分間を終了して両者譲らず。前後半10分ずつの延長戦へ、勝敗の行方は委ねられる。

 赤黒のキャプテンは、待っていた。後半途中で最前線へとポジションを移したものの、チャンスは一向に訪れない。それでも、必ずその時は来ると信じて、ずっと準備していた。延長後半3分。左サイドをMF徳永薫(3年)が切り裂き、中央に視線を送ると、黄色い腕章を巻いた10番の姿が飛び込んでくる。

「キャプテンとしての、駒澤の代表としての覚悟は持っていたので、ゴール前に入ることだけを考えて走り込みました」。左足で放ったシュートがゴールネットへ到達したのを確かめた加茂は、気付けば「3年生も来てくれていたので、喜びを分かち合いたかったです」と歓喜に沸く赤黒の応援席へと、一目散に走り出していた。

 ファイナルスコアは3-2。「PK戦も覚悟はしていましたけど、『加茂がやってくれるんじゃないか』という想いはあったので、良く決めてくれたなと思います」と指揮官も評価を口にしたキャプテンの決勝ゴールで、駒澤大高が白熱の延長戦を制し、準決勝へと勝ち上がる結果となった。

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