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落合陽一氏×日本サッカー協会。“異色のコラボ”会見で明かされた「サッカーの過去、現在、未来」変革案

ゲキサカ / 2022年6月24日 6時0分

 さらにサッカーの「未来」については、教育や技術研究にも手を伸ばしていく予定だ。落合氏が専門とするバーチャルリアリティやドローンなどの技術を使えば、トップレベルやグラスルーツにおける新たな指導法・練習法の開発にも期待ができる。田嶋会長は「現場の要請や希望があれば技術委員会から然るべき人が先生に直接話をし、森保監督がカタールの前に行って話をするとかそういう機会があればより現場に近くなり、落合先生ももっとサッカーを楽しめるようになるんじゃないかと思う」と述べ、日本代表での活用にも可能性を示した。

 こうした期待を受けて、落合氏は「われわれの強みは条件が与えられてからの構築力の速さ。そこでどこに適材適所をハメていけるか。大学はフットワークの軽さが面白いところ。大企業ではないので、リソースは豊富ではないけど、ただそのプロジェクトがうまくいかなかったら、二の手、三の手、四の手が軽くやっていけるのがアカデミックの強み。トライアンドエラーがたくさんできるのが強み。そうして面白い結果が出れば」と前向きに語った。

 また田嶋会長は落合氏の手を借りることにより、サッカー界における多様性の実現や、サッカー競技の再定義に向けて、さらに大きな期待も示した。

「私としてはダイバーシティの問題を解決していかないといけないと考えている。11対11のサッカー、しっかりとみんなが動ける人がやるサッカーだけではなく、いろんな方々が11人制ではなく、5人でも、ブラインドサッカーでも、われわれは障害者連盟も作っている。そこにコミットできる何かを開発していきたい。またサッカーって研究したり、AIの分野のベースになるようなスポーツだけど、なぜなるかというと一番難しいからなんです。オープンスキルで、相手も動くし、こっちも動く、ボールも動く。状況がどんどん変わっていく中で、判断して動く。そこで判断できる選手がいい選手。もしかしたら研究課題として最も難しいスポーツかもしれない。最も難しいスポーツをいかに感動をもって伝えるかをお願いするには落合先生が一番、最適な方だと考えた。そこを期待しているところでもある」

 この言葉に対して落合氏は「障害者スポーツ、多様性のスポーツをしていて、かつVRが専門で、展示だったりのアーカイブス、展示環境をやっている研究者は日本に僕しかいない。3つ違う分野があって、それをやっている人が少ないので、そこに関しては確かに胸を張って専門ですと言える。そしてそれが親和性を持っているといいなと思う。それぞれ別々の専門家がやっていて話すのも大切だけど、僕にとってその3つは血となり、肉となって根付いている。それが親和されたものができればいいなと思う」と期待を受け止めつつ、「私は5年前までもっとテクノロジーマッチョなことを言っていたが、テクノロジーで何とかしようと思っていたけど、テクノロジーで何とかしようとすると、人間力でなんとかすることのほうが多い。たとえば義足がうまくいかなければ義足対象者が何とか練習するのが面白いところだと思う。人間とテクノロジーが一体となって泥臭く解決していけることをもっといろんな場面で発見できる気がしていて、そこが楽しみ」とサッカーの身体性への関心も見せた。

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