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[プレミアリーグWEST]「奪う」という絶対的な評価基準を掲げた履正社が大津に競り勝ち、6戦ぶりのリーグ戦白星を奪取!

ゲキサカ / 2022年7月3日 7時13分

 履正社を強豪へと育て上げた平野監督が選手たちに求め続けていることは、いつだって明確だ。「ウチは常に勝利を目指します、ゴールを目指します、と。いかに効果的に、効率的にそれを目指すかで、それは牛丼屋と一緒で『早い、安い、美味い』じゃないとダメなのよ(笑)。『安いけど遅い』とか『美味いけど高い』じゃなくて、ちゃんと丁寧に『早い、安い、美味い』を提供すると。子供たちにはそういう言い方をするんだけれどね。ちょっと『安い』はサッカーっぽくないけど、わかりやすいでしょ」。

「ベースは前へ、ゴールへ、勝利へ、というのがあって、ウチはどんなゲームをやりたいかというと、躍動感に満ちあふれ、スピーディーでテクニカル、見ている人を魅了する、そんな痛快なサッカーをやりたいなと言っているんです。それは変わらない。でも、今年は守備のメンタリティを持っているヤツが少ないから、テーマは『奪う』だからねということにしたんです」。

「彼らの積極性をより引き出すためには、多くの言葉でああだこうだ言うのではなくて、評価として『今日のゲームはこれができていたかな?』という1つのテーマがあって、それさえうまくやっていればいろいろなものが繋がってくる、フットボールの勝利を奪うことに繋がってくるということで、そのテーマが『奪う』になってくるわけです」。つまりあらゆる『奪う』ができていたか否かが、“今日のゲーム”の評価基準になる。これは選手たちにとっても間違いなく自身の出来をイメージしやすいはずだ。

 キャプテンの古田も、チームの成長に手応えを感じている。「今年のテーマである『奪う』というところで、『ゴールを奪うこと』『ボールを奪うこと』をアグレッシブにやるということが少しずつ具現化できてきているのかなと思います」。それを伝え聞いた指揮官は、「古田がそういう話をしたのも浸透しているからですよね。そこに乗っかっていけない子、トライできない子は良いものを持っていても、なかなか試合には出ていけないかな」ときっぱり。ポジションを『奪う』競争も、このチームの中ではよりシビアなものになりつつあるようだ。

「プレミアは楽しいねえ。勝った負けたはあるんだけれども、ワンプレーのミスを逃してくれなかったりして、そのクオリティだから嬉しいんですよ。それで失敗するんだけれど、その失敗は子供たちの中に必ず財産として残っているんです。だから、凄く伸びていると思う。みんなサッカーが好きだから工夫する、上手くなりたいから工夫する、という構図だけは絶対に壊しちゃいけないことですよね。だから、勝っても負けても、良いものは良い、ダメなものはダメ、というそこのジャッジだけはしてあげて、できなかったことに対して叱るのではなくて、トライしなかったことに対して指導はする。その中でもっともっとアグレッシブに、サッカーを楽しみながらできればいいかなと思っています」(平野監督)。

 ベースは整い始めている。果たして彼らは何を、どこまで『奪う』のか。2022年の履正社が、いよいよ面白くなってきた。



(取材・文 土屋雅史)▼関連リンク
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