元ヴォルティス戦士の徳島凱旋。生駒・古田泰士監督が選手たちに伝えたい「ありがとう」のメッセージ
ゲキサカ / 2022年7月25日 6時45分
[7.24 インターハイ1回戦 昌平高 3-0 生駒高 徳島スポーツビレッジピッチB]
不思議な運命の巡り合わせとは、まさにこのことだろう。なかなか越えられなかった壁を打ち破り、辿り着いた全国大会の舞台は、自らがプロサッカー選手として4年間を過ごした徳島の地だったのだから。
「これも巡り合わせですよね。県内で勝って出場できた全国大会がたまたま徳島やったというだけなんですけど、このグラウンドもそうですし、徳島県ということもそうですし、私の思い出の地でやらせてもらえたというのは、本当に選手に『ありがとう』と。選手にここまで連れてきてもらいましたので、凄く感謝の気持ちはあります」。
2005年から2008年まで徳島ヴォルティスでプレーしていた、元Jリーガーの指揮官。創部39年目にして初めての全国出場を手繰り寄せた生駒高(奈良)の古田泰士監督は、教え子とともに新たな歴史の1ページを、しっかりと自らの思い出の地に刻み込んだ。
もともと奈良県の出身。名門の高田FCジュニアユースでプレーしていた古田監督は、県内の耳成高に進学すると、高校選手権で全国大会も経験。その後は大阪体育大で4年間を過ごし、2005年にはJ2に昇格したばかりのヴォルティスへ入団。在籍していた4シーズンでJ2リーグ戦26試合出場という記録が残っている。
現役引退後は教員として地元の奈良へ戻り、いくつかの高校でサッカー部の顧問を歴任し、2017年から生駒へと赴任。同校は着々と実力を伸ばしていったものの、なかなか県内ベスト4の壁は厚く、何度もそのステージで行く手を阻まれてきた。
そんな中、就任6年目となる今年のインターハイ予選でとうとう準決勝を突破すると、決勝でも香芝高に4-0で快勝し、一気に奈良王者に登り詰める。そして乗り込んできた全国大会の開催地が、偶然にも徳島だったというわけだ。
初戦の相手は優勝候補の一角に数えられている昌平高(埼玉)。相手にとって不足はない。「正直全国でも名門で、名前もみんな知っているようなチームとやれるので、試合展開として攻められることはわかっていたんですけど、その中で自分たちがどれだけできるか、どれだけ楽しめるかというところで、『試合を楽しむ』ということを自分もチームも意識していました」と話したのは、キャプテンのMF横路拓哉(3年)。選手たちは笑顔で全国のピッチへ飛び出していく。
前半12分にセットプレーから先制点を許したが、以降は守備に回る時間こそ長かったものの、粘り強く失点を回避しながら、時折可能性を感じさせるアタックを繰り出していく。
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