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6年分の感謝を込めた「有言実行」。静岡ユースMF齋藤晴が実現させたゴールとヒーローインタビュー

ゲキサカ / 2022年8月29日 20時34分

「相手のベンチにはコーチで“船越監督”がいたんですけど、やりづらいというよりは、『ここで良いプレーを見せたいな』という想いがありましたし、『ここでアピールしたらまたチームでも良い方向に行くんじゃないかな』って。なので、頑張ろうと思っていました」。

 U-18日本代表の船越優蔵コーチが普段指揮を執っているのはJFAアカデミー福島U-18。いつも指導を仰いでいる指揮官と敵味方に分かれて戦う上に、ここ2試合はプレミアリーグの試合でもスタメンを外れていた齋藤にとって、大いにアピールしたい一戦であったことは容易に想像できる。

 だが、この試合でもスタメンを外れると、後半19分から交代でピッチへ。終盤に先制を許した静岡ユースは、アディショナルタイムにPKで劇的に追い付き、2試合続けてもつれ込んだPK戦を制して、U-18日本代表を撃破したものの、個人として大きなインパクトを残すまでには至らなかった。

 2試合目と3試合目の間に設けられた休養日。チーム練習取材の前に偶然会った齋藤と話していた際、メディア対応に話題が及ぶと「僕もインタビューされたいんですよ」と笑顔で口にする。「ゴールを決めないとなかなかインタビュー対象には選ばれないかな」というこちらの言葉を受け、「じゃあゴール、決めたいですね」と再び笑顔。ポジティブなキャラクターが、短い時間でも顔を覗かせたことが印象深い。

 静岡ユースとしての最終戦。U-18ウズベキスタン代表戦も、スタメンリストの中に齋藤の名前はなかった。それでも腐るような様子は微塵も見せず、アップエリアで準備し続けると、終盤になってようやく声が掛かる。残された時間は10分程度。もちろん狙うのは自身のゴール。13番が気合を滲ませながら、ピッチへと走り出していく。

 後半36分。今大会の3試合の中でも、最大の決定機が齋藤に訪れる。同じタイミングで投入されたFW山藤大夢(3年=富士市立高)のスルーパスを受け、完全にGKと1対1の場面を作り出すと、冷静にボールをゴールネットへ流し込む。

「本当に良い形でボールを持てたので、意外と落ち着いていて、あとは決めるだけでした。本当に嬉しかったですね。ゴールを決めたかったので」。交代出場コンビで挙げた勝利を決定付けるゴールに、チームメイトも大喜び。殊勲の13番は歓喜の輪の中で、手荒い祝福を浴び続ける。



 試合後。テレビのインタビューがセッティングされると、静岡ユースの3人の選手が次々にカメラの前に現れる。その3人目として登場したのが齋藤。ゴールも決めて、インタビューも受ける。まさに有言実行。静岡への恩返しを見事な結果で果たし、誇らしげに受け答えする姿が、何だか微笑ましかった。

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