開始32秒で先制の“想定外”も「早実のサッカー」完遂!早稲田実が國學院久我山を撃破して愛と感謝に満ちた初の全国切符!:東京A
ゲキサカ / 2023年11月11日 23時17分
ところが、次の得点を記録したのも早稲田実。27分。中盤でルーズボールを拾ったMF戸祭博登(3年)がグングン運び、竹内が右へ展開。ここも上がってきた荒木のクロスから、ファーでDFスミス聡太郎(2年)が放ったシュートは相手DFに当たったものの、跳ね返りに反応したMF西山礼央(3年)は左足一閃。軌道は左スミのゴールネットへ一直線に突き刺さる。「今日は左足で決めるイメージができていたので、意外と落ち着いていました」というキャプテンが挙げた追加点。早稲田実が2点のアドバンテージを手にして、前半の40分間は終了する。
「『負けることを考えるな』と。『勝つことだけを考えてやれ』と。勝負事というのは起きうることをすべて受け入れないとダメなわけで、もう0-2になったんだから、それを受け入れて後半頑張りましょう、という話をしました」と李済華監督も話した國學院久我山は、後半も攻める。中盤ではMF近藤侑璃(2年)がボールを丁寧に捌き、10番を背負うMF山脇舞斗(3年)は得意のドリブルで前へ。途中投入されたFW佐々木登羽(3年)、FW佐々木羽遥(3年)、FW高井琉士(3年)も果敢に仕掛けるが、決定的なシーンまでは作り切れない。
早稲田実は、落ち着いていた。「久我山さん相手に2点差は全然引っ繰り返る力関係だったと思うので、2点目が入ったのは精神的なプラスはありましたけど、そこで浮かれ過ぎずにチームとして引き締められました」と5バックの中央を任されているDF若杉泰希(3年)が話せば、「自分たちが先制するのも、先制されるのも想定していたので、『どんなことがあっても自分たちの戦い方を発揮しよう』ということで、みんなで声を掛け合ってやっていました」と西山。きっちり耐えながら、前線の久米と竹内の2トップでカウンターという狙いを徹底。実際に26分には「いかにワンチャンスをゴールに直結させるか、チームを助ける基点になれるか、ということはいつも考えています」という久米が単騎で運び、あわやというシーンも。一刺しできる“武器”を懐に忍ばせつつ、高い集中力を保ち続ける。
24分は國學院久我山。山脇がドリブルからシュートまで持ち込み、こぼれをFW高梨通晴(3年)が狙うも、ここは早稲田実のGK高村裕(3年)がビッグセーブ。30分も國學院久我山。右サイドバックのDF下塩入俊佑(3年)のクロスから、佐々木登羽がトライしたオーバーヘッドは枠の左へ。34分も國學院久我山。近藤の右ロングスローに佐々木羽遥が飛び付いたヘディングは、高村が丁寧にキャッチ。右から荒木、DF根本渚生(3年)、若杉、DF中嶋崇人(3年)、スミスと並んだ5バックは、左右のスライドも跳ね返すパワーも出色の出来。「全員で集中してやれていたのかなとは思います。今日はみんなかなり気合も入っていましたし、『この2点で絶対に全国に行くんだ』という気持ちでやれたのは良かったかなと」(若杉)。2点という点差を後ろ盾に、冷静に、着々と、残り時間を消し去っていく。
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