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別々の進路を選んだ「元チームメイト」がファイナルで再会。青森山田MF福島健太と広島ユースDF黒木一心が交わした抱擁は次のステージへのリスタート

ゲキサカ / 2023年12月11日 19時55分


「1位同士になったらファイナルで当たることはわかっていたので、健太と『ファイナルで会おう』という連絡は取り合っていました」と明かした黒木と福島は、中学時代に大阪のRIP ACE SCで一緒にプレーしていた元チームメイト。黒木はこの日のベンチメンバーに入っていたMF石橋聖也(3年)とともに広島へ、福島は青森へとそれぞれ別々の進路を選択し、サッカーと向き合う3年間を過ごしてきた。

 そんな2人が、青森山田の13番とサンフレッチェ広島ユースの3番として、プレミアリーグの覇権を巡って、直接対決する一戦がこのファイナル。「『絶対に勝つ』とメッセージを送ったら、『負けない』という感じで返ってきましたね」とは福島。アイツだけには負けたくない。お互いが特別な想いを抱いて、決戦の日を迎えていた。

 ポジション的に両者のマッチアップは不可避。ゴールを奪いたい福島と、ゴールを奪われたくない黒木。おそらくは中学時代のチームメイトたちも、自分たちの代表が全国制覇を懸けて戦う試合を、さまざまな形で見つめていたのではないだろうか。スタンドへの挨拶を終えると、2人は握手を交わし、それぞれのポジションへと散っていく。

「マッチアップは負けてはいなかったと思います」と黒木が話せば、「自分も勝っていたとは言えないですけど、負けていたとも思わないですし、トントンだったんじゃないですかね」と福島も笑う。1対1で向かい合うようなシーンはそれほど多くなかったが、敵味方に分かれていたとはいえ、それでも3年ぶりに同じピッチに立てたことが、とにかく嬉しかった。

 試合は終盤の2ゴールで青森山田が劇的な逆転勝利を収め、日本一の称号を手に入れる。「後半は押し込まれる形が続いたので、自分たちも声を出して、その圧力に負けないようにやっていましたし、耐えてはいたんですけど、最後にあそこで少し気が抜けたのかなと思います」。黒木はなかなか顔を上げられない。

 後半途中で交代していた福島は、ベンチで優勝の瞬間を迎えていた。「新チームが始まった時から掲げてきた三冠という目標はインターハイでできなくなったんですけど、まずは“一冠”というところで、今日は応援も凄かったので、タイトルを獲れて良かったなと思います」。気付けばグラウンドのチームメイトの元へと走り出していた。

 試合後の表彰式。優勝カップを表彰台で掲げ、階段を下りてきた青森山田の選手が、広島ユースの選手たちと1人1人握手を交わしていく。緑の13番が紫の3番へと歩み寄り、2人は少しだけ抱擁すると、すぐにお互いの列へと戻っていった。

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