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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:取り戻す(三菱養和SCユース・後閑己槙)

ゲキサカ / 2024年2月21日 12時41分

 地道に実力を培っていった後閑は、3年生になると改めて三菱養和ユースのセレクションを受験。重ねた努力が実った形で、今度は念願の合格を勝ち獲ってみせる。

「クリアージュの監督からの電話で知ったんですけど、今日の試合中と一緒でメチャメチャ吠えましたね(笑)。『見たか!』と。それでどうやって養和に一度は見切られた選手の想いを見せようかなと考えたんですけど、冷静に監督とも話して、養和なんて言うことのないぐらい素晴らしいクラブなので、『やっぱり養和でやりたいな』と思いましたし、いざ合格をもらったら『はい!行きます!』となっちゃいましたね(笑)」。このあたりにも素直な性格が垣間見える。後閑は3年越しのリベンジを見事に果たし、晴れて三菱養和の一員になったのだ。


 改めて三菱養和で日々を過ごす中で、後閑が特にこのクラブの強みだと感じている部分があるという。「小学生の頃からスクールに通っていても感じましたけど、コーチの質が凄いんです。メチャメチャ良いコーチの方ばかりで、みんな話し掛けてくれますし、サッカーを教えてくれることで人間性も鍛えられますし、その監督やコーチの方々の存在が一番大きいですね。『ここだったらサッカーが上手くなれるし、プロサッカー選手になるための育成をしてもらえるな』と思っています」。

 今季からユースに帰ってきた増子監督に対しても、既に強い信頼を寄せている。「増子さんとは今まで1回も関わったことがなかったんですけど、メチャメチャ良い人なのは伝わってきますし、勝たせてくれる人だとも感じているので、それに絶対応えようと思いますね。もう『増子さんのために』という気持ちもあります」。いきなりの公式戦3連勝も、チームにとっては確実に追い風となっている。

 だからこそ、今年は必ず望んだ結果を引き寄せる。「それこそ僕は養和を背負いたくてここに来たのに、去年は結果的にカテゴリーを落とす結果になってしまって、メチャメチャ責任も感じましたし、ショックも受けました。でも、僕にはまだ1年残っています。やっぱりJリーグの下部組織のチームを倒すのが養和の意義でもありますし、養和は絶対にプレミアにいないといけないクラブなので、何としてでも強い養和を取り戻さないといけないと思っています」。

 さらにその先には、自分の心のど真ん中に、ずっと掲げ続けてきている夢がある。「僕の小さい頃からの夢は鹿島アントラーズでプレーすることなんです。鹿島アントラーズファンの一家で、自分では鹿島の血が流れていると勝手に思っているので(笑)、まだまだそんなレベルにはないと思っていますし、まだまだ努力は必要ですけど、諦める必要はないですし、それに近付くために日々やるべきことをやっていることは、自信を持って言えると思います」。

 諦めない気持ちが何かを起こすことは、もう自分の経験がハッキリと証明している。養和らしさを全身に纏った、アグレッシブな右サイドバック。後閑己槙の発する大きなエネルギーがポジティブな化学反応を起こすたびに、自ずと望んだ成果は向こうから歩み寄ってくることだろう。



■執筆者紹介:
土屋雅史
「群馬県立高崎高3年時にはインターハイで全国ベスト8に入り、大会優秀選手に選出。著書に『蹴球ヒストリア: 「サッカーに魅入られた同志たち」の幸せな来歴』『高校サッカー 新時代を戦う監督たち』
▼関連リンク
SEVENDAYS FOOTBALLDAY by 土屋雅史

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