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最年長への激しい要求も…川崎Fと日の丸を背負う19歳・高井幸大が“多摩川クラシコ”で見せた成長

ゲキサカ / 2024年4月1日 18時20分

DF高井幸大

[3.30 J1第5節 川崎F 3-0 FC東京 U等々力]

 可能性に満ちた大器は、一歩ずつ成長を見せている。川崎フロンターレのU-23日本代表DF高井幸大は“多摩川クラシコ”で完封達成。「去年よりすごく簡単に失点してしまうことが多かった。この2週間の間でみんなで取り組んで、守備のところはすごく意識高くできた」と手応えを口にした。

 川崎FはダービーマッチでFC東京に3-0で快勝。高井は持ち味の果敢な守備でピンチの芽を潰し、ボール奪取からビルドアップにも関わった。後半38分には最終ラインでこぼれ球を拾うと、即座に前線に浮き球パス。「奪った後に前を見ることができた。その後の選手のクオリティはあると思うので、僕たちはつなげることが大事」。MF山内日向汰とFW山田新の好連係による2点目を演出した。

 192cmという高身長ながらスピードも兼ね備えている。FC東京は両サイドに優れたウイングを擁しているが、高井は「ラインのところはすごく意識して、隣の選手とのつながりも意識できた」と振り返る。ジェジエウら最終ラインでカバーし合い、積極的に快足FW仲川輝人とのマッチアップへ。「ボールサイドのところは強く行くことがセオリー。そこは上手い選手がたくさんいるので、そこでは潰せる意識でやれた」。冷静に相手のクロスを封じてみせた。

 パリオリンピックを目指すU-23日本代表の一員として、直近の活動に参加していた。3月22日のU-23マリ代表戦では攻守で苦しむ場面もあり、1-3で完敗。「より一層やらなきゃいけないなと毎回の代表活動で思う」と悔しさを噛み締めつつ、「このプレーを続けられることができれば」と多摩川クラシコではひとつの自信を掴んだようだ。試合を視察していたU-23日本代表の大岩剛監督も「これを継続してほしい」と高井の奮闘に目を細めていた。

 クラブでも代表でも年下の世代になるが、“多摩川クラシコ”では気の強さを垣間見せた瞬間があった。前半アディショナルタイム1分過ぎ、自陣へのバックパスに対してGKチョン・ソンリョンとお見合いになった。あわやのピンチもすかさずクリア。高井はプレーが切れると、即座にソンリョンに対して激しく要求をしていた。

 双方で中途半端なプレーになったからこそ、自身の意見は強く伝えなければいけない。U-23日本代表でもチームメイトからプレー面の要求もあるといい、「それに応えられるように」と力を込めていた。クラブに帰還した初戦で、さっそく違いを見せた場面だった。

 U-23日本代表は4月にパリ五輪アジア最終予選を兼ねたU23アジアカップが控えている。対日本を意識したアジア勢の“粘り”を跳ね返すためにも、身体能力に優れ、かつクラブでの出場機会が多い高井が招集される可能性は大きい。メンバー発表は今月4日だが、まずは3日のJ1第6節、横浜F・マリノスとの“神奈川ダービー”でさらなる活躍を見せたいところだ。

(取材・文 石川祐介)
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