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昨季のリーグ戦では一度もなかった逆転勝利で証明した「ひっくり返す力」。川崎F U-18は大宮U18から4ゴールを奪って開幕白星発進!

ゲキサカ / 2024年4月8日 19時7分

 なお、川崎F、大宮の両チームでもプレーした経験を持ち、昨シーズンの途中から大宮U18のコーチを務めていた横山知伸さんが今年の1月4日に逝去されたことを受け、その横山さんを偲ぶ意味で、この試合に臨む大宮U18の選手たちは喪章を付けて戦った。横山さんの日本サッカー界に残された功績へ敬意を表するとともに、改めてご冥福をお祈りしたい。

大宮U18の選手たちは左腕に喪章を巻いて戦った

 昨シーズンはリーグ連覇に一歩届かなかった川崎F U-18が、今シーズンを立ち上げる時に共有したことについて、長橋監督はこう明かす。「去年の反省を今年は徹底してやりました。すべての得点、すべての失点を選手たちと洗いざらい振り返りながら、『どこがいけなかったのか』『どういう時間帯に自分たちの脆さが出るのか』『どんな相手には弱みが出て、逆にどんな相手には強みが出たのか』ということを選手たちと話した中で、『じゃあこういうふうに進めていこう』と。悔しい想いをしただけで終わらせずに、しっかり数字に出した上で、自分たちの良さは引き続き継続して磨きを掛けるというところは、立ち上げから共有したところではあります」。

 そこから導き出した2024年のキーワードは、2つある。1つは『後半に足が止まらない』。昨シーズンのリーグ戦では80分以降に喫した失点で引き分けた試合が3試合、負けた試合が2試合あった。とりわけリーグ序盤にいわゆる“取りこぼし”が目立った経緯を受け、今季は最後まで走り負けないトレーニングを重ねてきたという。

「昨日涼しかったところで、今日は一気に気温が上がった中でも、足が止まらなかったので、明らかにこの時期で去年と比べると、後半は足が動いていたかなと思います」(長橋監督)「後半は大宮の選手よりも走れていたと思いますし、相手が怖いようなプレーができたと思います」(加治佐)。2人の言葉を聞くと、この日の90分間からは一定の手応えを掴んだようだ。

 もう1つは『ひっくり返す力』。やはり昨シーズンのリーグ戦を振り返ると、先制された4試合の結果は1分け3敗。逆転勝利は1試合もなく、リバウンドメンタリティを発揮しきれなかった流れがあった。だが、今季のプレシーズンでは強豪が集ったJ-VILLAGE CUPを含めて、逆転で競り勝つ試合も経験済み。タイトル獲得には欠かせない勝負強さへの自信を培ってきた。

「今年は立ち上げから選手たちを見ていて、去年と明らかに違うのが点を獲られてからも下を向かずに、『ここを耐えれば絶対にチャンスがある』と凄く感じる試合が多くて、『自分たちから崩れない』というところは、もう信頼しているところがありました」(長橋監督)。その指揮官からの信頼に、いきなりオープニングマッチから結果で応えた選手たち。この勝ち点3が数字以上に大きな価値を持ってくることは、あえて言うまでもないだろう。

 それでも、長橋監督が安堵の表情とともに吐き出した言葉も印象深い。「昨シーズンは何が足りなくてこういう数字になっていたのかは、選手たちもわかっていると思うので、今年はメチャメチャしんどいトレーニングをしています。これで負けたら説明が付かないので、私が一番ホッとしています(笑)。勝てて良かったです」。

 過去の経験を真摯に受け止め、プレミアリーグ完全制覇へと上り詰めるべく、後半まで足が止まらず、ひっくりかえす力を持ち始めつつある川崎F U-18。飽くなき勝利への希求を携えた2024年の彼らは、今まで以上にどのチームにとっても厄介極まりない存在になりそうだ。



(取材・文 土屋雅史)

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