玉田圭司新監督が求めることに対し、積極的にトライ。昌平が4-2で前橋育英に撃ち勝ち、初勝利を「プレゼント」
ゲキサカ / 2024年4月14日 0時6分
それでも、昌平・玉田監督も警戒していたCB山田からFW佐藤耕太(3年)への縦パスや、右SB青木蓮人(3年)の攻め上がり、MF石井陽主将(3年)を起点としたショートカウンターなどから徐々に反撃。そして、40分、U-17日本高校選抜FWオノノジュ慶吏(3年)が相手DFラインでのビルドアップをインターセプトすると、DFと競りながら前に出て左足を振り抜く。これは左ポストを叩いたものの、跳ね返りを佐藤が右足で押し込み、1-1とした。
昌平はFW鄭へのロングボールがやや増えていたものの、背番号15のエースストライカーは個の力でもボールを収め、強引にPAまでボールを運んで足を振っていた。その昌平は後半8分、抜群のスピードを発揮していた岩谷が左サイドへ抜け出す。そして、中への動きながら中央へパス。これを大谷がヒールで落とすと、リターンを受けた岩谷が右足で鮮やかに決めて勝ち越した。
だが、前橋育英は直後に佐藤が青木の右クロスからクロスバー直撃のシュート。そして10分、右サイドから山田の蹴り込んだ左足CKがニアの混戦を抜け、ゴールラインを越えた。苦しい展開になりかけたところで2度目の同点ゴール。昌平は追いつかれた直後に大谷が中央突破し、岩谷とのパス交換から決定的な左足シュートを放つ。前橋育英も石井が高い位置に顔を出し、崩しに係っていく。互いに交代カードを切りながら目指しあった3点目のゴール。これを奪ったのは、昌平の方だった。
後半33分、昌平は右サイドから鈴木がボールを運び、前方のスペースへパス。これで鄭が抜け出し、一気にゴールへ迫る。そして、GKを引き付けて中央へラストパス。最後は三浦が右足でゴールへ流し込んだ。交代出場で大仕事の三浦は、ピッチサイドの控え部員とともに喜びを爆発。この後、昌平はベンチの玉田監督から「守り切ろうとするな!」という声が上がる中、距離感良くボールを繋ぎながら試合を進める。また、左SB上原悠都(3年)が対人の強さを発揮するなど相手の攻撃を封じ、セカンドボールの攻防戦でも優位に。そして、試合終了間際に三浦が自身2点目を決め、決着をつけた。
昌平は、日本代表としてアジアカップやワールドカップで活躍した玉田監督の就任から1か月。玉田監督はスペシャルコーチとして昨年一年間携わった昌平で、習志野高(千葉)時代の同期の多いコーチ陣と協力しながら、高校生と向き合ってきた。
鄭は「(玉田監督は)ほんとレジェンドの方ですし、毎日、自分が指導受けてるのが不思議と思うぐらい。日々熱血的に指導してくれますし、身振り手振りとか、ほんと情熱持って毎日接してくれるんで、そこも自分たちは感じています。あと、一昨日(4月11日)、玉さんの誕生日で、昨日(4月12日)は(玉田監督の習志野高時代の同期で、前監督の)藤島(崇之)さんの誕生日だった。『全員で勝って、誕生日プレゼントを送ろう』っていう話をしていました」と微笑む。その中で取り組んできた形も表現して勝利。大谷は「玉田さんの練習は、結構ゴールに近い場面だったり、そういう部分を中心的にやってるんで、こういった試合で4点という得点を取れて良かったです」と頬を緩めた。
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