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“J2のベンチ”からACL決勝進出の立役者に…横浜FMの歴史を変えたGKポープ・ウィリアム「自分で切り拓くのがサッカー選手の人生」

ゲキサカ / 2024年4月25日 2時46分

 ポープの言う積み重ねの裏には、決して順風満帆ではないキャリアの経験もあった。

 2013年に東京ヴェルディユースからトップチームに昇格し、プロ12年目の今季は優勝候補の横浜FMで守護神に君臨しているポープだが、初めてJリーグでコンスタントに出場機会を掴んだのは川崎フロンターレからファジアーノ岡山に期限付き移籍した2020年。プロ8年目のことだった。

 また翌21年には完全移籍先の大分トリニータで初のJ1レギュラーを経験したが、年間を通してはわずか14試合の出場。翌22年からはJ2のFC町田ゼルビアに移籍し、昨季は31試合出場でJ1昇格に大きく貢献したものの、終盤は正GKの座を奪われる形で出場機会が激減しており、横浜FMへの移籍も他のGKの動向を受けてのものだった。

 それでも過去のキャリアよりも結果がモノを言うのがプロの世界。29歳の苦労人はACL準決勝というクラブ史上初の大舞台で、積み上げてきたものをこれ以上ない形で発揮してみせた。

「昨年の最後はJ2のベンチだった。苦しい時期もあったけど、でもその中でも自分を信じて、やり続けることでどんどん道は開いていくもの。自分で強い気持ちを持って、自分で切り拓いていくのがサッカー選手の人生。GKは4人いても1人しか試合に出られない。その中でもどれだけ自分を信じられるのか、どれだけ日々を大切に過ごしていけるのかがGKは大切。(19年に)川崎Fを出てから、(川崎Fで)本物のレベルを知れて、そこに追いつきたいとか、追い越したいとか、本当にその気持ちを持って、ここ5年くらいですかね。本当に毎日、地道にやってきた。そういったことがこの舞台につながってきたことが自分自身、感慨深いです」

 苦難もあったキャリアの記憶は、運命を分けるPK戦の最中にも頭をよぎっていたという。「今日のPK戦の中でもいろんなことを思い返しながら、あのPKを迎えることができた。悔しい思いだったり、つらい時期を乗り越えてきた自分自身のことだったり、そういうことが本当にパワーになった。今まで、頑張ってきて良かったなと思いますね」。延長PK戦を終えた深夜のミックスゾーンで、数多くの報道陣に囲まれながら静かに感慨をにじませた。

 もっともその一方、疲弊した苦闘を振り返る際には、揺るがぬプロ意識も垣間見せていた。ポープは終盤、プレーが切れたタイミングで足をつった仕草を見せており、濡れたピッチでハイジャンプを繰り出し続けた奮闘の跡を感じさせたが、この状況については「チームに迷惑をかけてしまった」と厳しく口にした。

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