[関東]J1デビューの翌週は大学でフル出場、東洋大の新潟内定DF稲村隼翔「自分が活躍する未来を思い描いて」
ゲキサカ / 2024年5月7日 21時23分
[5.4 関東大学L1部第4節 東洋大1-2中央大 味フィ西]
東洋大は1-2で敗れて今季2敗目を喫した。前半から押し気味に試合を進めるも、スコアレスで折り返した後半10分と12分に連続失点。後半アディショナルタイムにFW依田悠希(2年=三菱養和SCユース)のゴールで1点を返したが、反撃が遅かった。
CBの一角としたフル出場したDF稲村隼翔(4年=前橋育英高/新潟内定)は、「試合を通して上手く攻め続けていたけど、後半のミス2つだけの失点で(負けた)。1失点目は自分のパスミスからだった。去年からこういう失点が多くて、そこは甘さが出てしまったなと思います」と責任を感じている様子だった。
つい一週間前、2万4438人の視線を浴びながらJ1のピッチに立っていた。昨年6月にアルビレックス新潟への25シーズン入団内定を発表した稲村は、2年連続で特別指定選手として登録。昨シーズンのデビューは叶わなかったが、4月17日のルヴァン杯2回戦のいわきFC戦でフル出場デビューを飾ると、同20日のJ1第9節京都戦でベンチ入り。そして同27日のJ1第10節FC東京戦で後半19分から途中出場して、J1デビューを飾っていた。
「通用した部分とまだまだの部分がはっきりしました。J1リーグ戦でもあの30分の中で、フルでやったらどうなんだろうという部分もあったので、まだ満足はできない。(大学の試合で)見られ方は変わると思いますし、自分もそこに対して自信を持ってやっていかないといけない。自分を大きくみせること、違いは見せていきたいと思いがあるので、意識していきたいです」
ただここまでは少なからず焦りがあったという。昨年6月1日に新潟入りを発表した稲村だが、翌2日に同僚MF新井悠太が25シーズンの東京ヴェルディ入団内定を発表した。高校、大学をともに過ごす同級生と1日違いの進路発表となったことについては、全くの偶然のようだが、その後新井は7月にJリーグデビュー。初ゴールを記録するなど鮮烈な印象を残すと、10月にはU-22日本代表にも初選出された。
階段を駆け上がる仲間を横目にして、「もどかしい気持ちがすごくあった」と素直な思いがあったことを明かす。ただ当時、井上卓也監督から「人と比べるんじゃなくて、自分の目指す高いところに意識を持ちなさい」という言葉をかけられたという。「そこから自分の中でも気持ちが楽になった。悠太が出ているからとかじゃなくて、自分が活躍する未来を思い描いてやってきました」。その時期の経験が先日のJ1デビューに繋がったとポジティブに考えている。
今後については、基本的にはクラブと井上監督が話し合った指示に従う形になるようだ。「こっちのリーグ戦がない時は参加させてもらう形がべースだと思っています。でも大学4年目で、自分は2年から出させてもらっている中で、今年は本当に優勝を掴み取りたい。優勝を目指す中で、Jリーグでも機会があれば何回も出てアピールしていきたいなと思います」。
今年は青森山田高で主将を務めたDF山本虎らが入学したことで、「下からの底上げ」も感じるという。「(新潟では)1試合に対する思いがプロ選手は強いというか、人生をかけて臨んでいる選手が多いなと感じた。そこはカテゴリは違えど、伝えたいと思うし、要求していきたい。自分ももっとレベルを上げて、チームを勝たせられる選手になりたいです」。目指すはもう一段階上のレベルアップ。その先にチームの明るい未来をみている。
(取材・文 児玉幸洋)
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