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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:憧れの向こう側(ファジアーノ岡山U-18・磯本蒼羽)

ゲキサカ / 2024年5月23日 19時10分

 結果から言えば、62番がピッチに立つことはなかった。スタメンに抜擢された三木は後半34分までプレー。南も延長前半5分から交代出場を果たしたが、アップエリアにいた磯本に最後まで声は掛からず、チームはPK戦の末に敗退することとなる。

「自分としてはトップチームの練習や練習試合でも結構やれていたので、『ちょっとぐらいは出れるかな』という想いはありましたし、家族もみんな見に来ていたので、試合に出たい想いはチームで一番あったと思います」。気付いた時には、もう我慢できなかった。

「家族にも『あそこでプレーしてほしい』ということも言われていましたし、あそこでプレーするためにいつも自分は頑張っているので、ポジションの関係もあるとは思うんですけど、ユースのチームメイト2人が出ていたのに、あの状況で自分が出られなかったのはメッチャ悔しくて、涙が出ました。やっぱりトップチームの試合は、近くて、遠い感じでしたね」。

 涙で滲んだ鮮やかな緑の芝生の色は、頭の中に焼き付けた。「スタジアムの上で見るよりも、ベンチに入っているのに試合に出られないことが一番悔しいと思うので、絶対に次の機会は出たいと思います」。覚悟は今まで以上に定まっている。憧れのピッチの“向こう側”へ、次こそは、必ず。


 チームも自身も初めて挑んでいる、プレミアリーグに身を置く日常はとにかく刺激的だ。今まで対戦したことのないような全国の強豪と毎週のように肌を合わせ、ヒリヒリするような90分間を過ごし、手応えを掴み、課題を突き付けられ、また次の試合へと向かっていく。

 岡山U-18を率いる梁圭史監督は「いろいろな特徴を持つチームがあるので、ちょっとでも隙があるとやられますよね。『これでやられるか』というシーンは凄くあるので、トレーニングもメチャクチャ集中力が高くなりますし、ゲームになると一瞬も油断できないシーンはメチャクチャ多いので、もうヒリヒリするというか、僕も見ていてドキドキしますよ(笑)」と楽しそうに笑う。

 磯本もこのリーグで戦うことの意味を、実感しているようだ。「プレミア、メッチャ楽しいです。自分たちも含めて、どちらかが偏って強いということがないリーグで、ほぼ五分五分の試合が多いので、『結果を出したい』と思いながら、楽しんでいます」。相手は強ければ強いほどいい。うまくいったことも、うまくいかなかったことも、全部を成長の糧に繋げてやる。

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