[MOM4707]前橋育英GK藤原優希(3年)_「雨野颯真さんを超えるぐらいの気持ちで頑張りたい」。タイガー軍団の新守護神が超ビッグセーブでチームを救う!
ゲキサカ / 2024年5月26日 19時18分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.25 プレミアリーグEAST第8節 前橋育英高 2-1 尚志高 前橋育英高校高崎グラウンド]
もう“偉大な前任者”と比較される現実は、受け入れた。それでも自分は自分。オレにしかできないことだってある。今年は勝負を懸ける高校最後の1年。個人の圧倒的なパフォーマンスで、チームとして叩き出す結果で、あの人の幻影を乗り越えてみせる。
「もちろんインターハイも選手権も全国に出て活躍したいですし、プレミアでももっと勝っていきたいですし、やっぱり自分は目立ちたいタイプなので、目標としている雨野颯真さんに負けないように、雨野颯真さんを超えるぐらいの気持ちで頑張りたいです」。
上州のタイガー軍団を最後尾から支える背番号1。前橋育英高(群馬)の守護神を任されたGK藤原優希(3年=坂戸ディプロマッツ出身)が決定的なピンチで繰り出した果敢なビッグセーブが、連敗中のチームに逆転勝利を力強くもたらした。
「前半はなかなか向かい風でボールが運べなくて、すぐに失点してしまって、チームの雰囲気的には最悪でした」。藤原は立ち上がりの時間帯をそう振り返る。高円宮杯プレミアリーグEAST第8節。2連敗中でこの日の尚志高(福島)戦を迎えた前橋育英は、開始早々からビルドアップでのミスが目立ち、その一連からわずか5分で先制点を奪われてしまう。
ただ、少しずつボールを落ち着いて繋ぎ始めると、攻撃の回数も増加。ゲームリズムも引き寄せていく中で、前半終了間際にはFWオノノジュ慶吏(3年)が同点ゴールをゲット。1-1に追い付いて、ハーフタイムへ折り返す。
後半10分。ホームチームに絶体絶命のピンチが訪れる。クリアが小さくなったところを拾われ、バイタルエリアで前を向いた選手の丁寧なラストパスが、右サイドへ通る。だが、冷静な思考を保っていた藤原には、一連の流れが手に取るように見えていたという。
「まずボールを持っていた選手の前に味方の選手が1枚立っていた中で、右サイドでフリーになっていた選手にパスが行くことはもうほぼ見えていたので、それで一歩目から速く飛び出せましたし、あとは身体を広げて当てるだけでした。会心のセーブです!」。一瞬でシューターとの距離を詰めると、両手を広げて勇敢に突っ込み、身体に当てる超ビッグセーブ。思わずガッツポーズも飛び出す。
その5分後。前橋育英はPKの流れから、MF平林尊琉(2年)が逆転弾を決め切り、結果的にこれが決勝ゴールに。「1-1の状況でアレを止められて、チームの雰囲気も一気に良くなったと思いますし、ある意味でオレのおかげですかね(笑)。今日は本当にチーム全体で勝って、連敗を止めてインハイに向かおうということでやってきたので、勝ち切れたのは本当に大きいと思います」。そう口にして笑顔を見せた守護神のワンプレーの価値が、90分の中でもとにかく高かったことに、誰も異論はないだろう。
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