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町田MF下田北斗「足もつっていたので俺でいいのかなと…」黒田監督に託されたPKキッカーで90+6分劇的決勝弾

ゲキサカ / 2024年5月26日 21時42分

喜びを爆発させるMF下田北斗(写真左)

[5.26 J1第16節 浦和 1-2 町田 埼玉]

 1-1で迎えた後半アディショナルタイム6分、FC町田ゼルビアの運命を大きく左右するPKキッカーを務めたのは、途中出場でフレッシュなFWエリキやFWミッチェル・デュークではなく、14試合ぶりの先発となったMF下田北斗だった。

 ゴール裏では浦和レッズのサポーターが盛大なブーイングを向けてくる中、「ブーイングはあったけど町田のサポーターの声援もあったので心強かった」と力強い左足シュートをゴール右隅へ。殊勲の32歳はキッカーの大役を「任された以上、しっかりと責任を持って絶対に決めるという思いがあった」と振り返りつつ、敵地での大仕事に「良い経験をさせてもらった」と照れ笑いを浮かべた。

 今季の町田はFW藤尾翔太が2度、DF鈴木準弥が1度PKキッカーを務めていたが、下田のキッカー起用は黒田剛監督の「彼(下田)が入っている場合は彼が蹴ると決めていた」という信頼によるもの。ただ、この日も自信満々に蹴り込んだようには見えたものの、直前にはキッカーを譲ろうかという迷いもあったという。

「もっと蹴りたい人はたぶんFWの選手にもいるので、そういう選手が蹴ってもいいのかなと思ったし、足もつっていたので俺でいいのかなと思って……」(下田)。MFナ・サンホが倒されてPKを獲得した直後、下田は自ら黒田剛監督に“お伺い”を立てていた。

 それでも指揮官の信頼は揺るがなかった。「ちょっと足がつりかけてるんですけどという少し弱気な発言もあったけれど、『水をグッと一杯飲んで深呼吸して蹴れば大丈夫だ』と」(黒田監督)。下田によると、得点への思いが強いFW陣とは異なり「無欲さ」も踏まえて託されていたというPKキッカー。指揮官の言葉で迷いを捨て去り、「絶対に決めてやろうと思って蹴った」と見事にその期待に応えた。

 今節は浦和から期限付き移籍中のMF柴戸海が契約の都合で出場できないため、14試合ぶりに巡ってきた先発のチャンス。それでも下田はブランクを感じさせないパフォーマンスを続け、PKのシーン以外にも、セットプレーのキックやプレッシングの打開で存在感を放っていた。

「町田の選手はみんなやることを徹底している。誰が出ても町田らしくというのを監督に常日頃から言われているし、そういったところをまずやろうという意識で入った」。出番のない試合もあるという苦しいシーズンを送る中でも、「フロンターレの時も出られない時期はあったし、出た時に何ができるかが選手としての価値を試されている」と取り組みを続けてきた下田。その成果がこれ以上ない形で発揮された試合となった。

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