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指揮官が訴えかけた「浦和を背負う責任」。長崎U-18相手に3発快勝を収めた浦和ユースは“因縁の相手”とのGS最終戦に堂々と向かう

ゲキサカ / 2024年7月24日 12時8分


 この日の浦和ユースは、とにかくエネルギッシュだった。ピッチ上でのアグレッシブなプレーだけではなく、出場機会を待つベンチメンバーも含めて、常にポジティブな声が飛び交っている。その印象を平川忠亮監督に伝えると、こんな答えが返ってきた。

「この大会はプリンス3連敗を受けて始まって、本当にうまく行っていなくて、そこを選手たちが何とかしようと、選手たち自身でいろいろミーティングをしたりしてきましたし、今日も自分たちで『声掛け、発信を続けよう』ということをテーマに挙げてやっていたので、そういった部分も徹底して最後までやり続けたのは良かったのかなと思います」。

 つまりは難しい時期を経て、意識的に積み上げてきたものが、ここに来て良い形で発露しているということ。キャプテンの阿部慎太朗は「ピッチに出ている選手だけではなく、ベンチも全員で戦うというのは自分たちのスタイルなので、そこは自分たちの強みでもある一体感もしっかり表現できていたのかなと思います」とチームワークへの手応えを口にしている。

 終盤には印象的な交代もあった。試合中もピッチサイドから誰よりも大きな声でチームメイトを鼓舞していたGK吉澤匠真(3年)が、小森に代わって登場すると、他の選手たちの表情にも自然と笑顔がこぼれる。

「キーパーコーチの塩田(仁史)さんからも『キーパー陣全員で戦っているんだ』と言われているので、今日は2人で勝てたことが嬉しかったです」(小森)「ピッチ内のチームメイトも素直に受け入れてくれた感じだったので、緊張せずに楽しんでできたかなと思っています」(吉澤)

ピッチサイドで交代を待つ浦和ユースGK吉澤匠真

 平川監督も「クラブユースの予選は彼でやっていて、彼のおかげで全国に来れている部分もあるので、チーム全体もああいう選手が出てくると盛り上がりますし、彼のモチベーションも上げながら、さらにチームがまとまっていけばいいのかなと思います」と言及。このあたりの一連にも、選手とコーチングスタッフで創り上げている雰囲気が垣間見える。

 次戦で準々決勝進出を懸けて戦う北海道コンサドーレ札幌U-18は、昨年度の大会でもグループステージ最終節で対峙しており、その試合で逆転負けを喫したことで、ノックアウトステージ進出を阻まれたという因縁の相手。阿部慎太朗は「本当に用意されていたんじゃないかという状況なので、今回は勝って、自分たちが去年より成長していることを証明したいと思います」とリベンジへの決意を隠さない。

「この勝利をチーム全体として1つのきっかけにしたいなと。僕自身も『果たしてやっていることが正解なんだろうか』とか、『どうすれば彼らがもっと生きるんだろうか』とかいろいろ考えましたけど、彼ら自身に僕も勇気付けられましたし、また今日みたいな試合をやっていけたらと思います」(平川監督)

 すべてのシチュエーションは整った。1年前に立ちはだかった壁を逞しく乗り越えるため、チーム全員で自身のやるべきことと向き合い、必ず勝利を掴み取る。高まる一体感。定めた覚悟。浦和ユースが期す真夏の進撃は、まだまだ終わらない。



(取材・文 土屋雅史)
●第48回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)特集

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