[関東]悔しい3年間を味わってきたエネルギッシュなエアマスター。国士舘大DF畑橋拓輝は盟友の想いも背負ってさらなるステージアップを志す!
ゲキサカ / 2024年8月11日 20時10分
ここまで大学で過ごしてきた時間は、順風満帆とは程遠いものだった。「1年目が一番キツかったですね。半年近くまともにサッカーもできていなかったので……」と本人も振り返るように、1年時はヒザの半月板を傷めてしまい、半年近く戦線離脱。ただでさえ高校時代とは大きく変わった環境へ必死に適応していた中で、ボールを蹴ることすらできない事態に陥ってしまう。
ケガから帰ってきても、自身の立ち位置が大きく変わったわけではない。1年時のリーグ戦は1試合にメンバー入りしたのみ。2年時はベンチに座る機会すら訪れない。「試合に出られない時期が長くて、自分の中でどうしたらいいかわからない時期が結構あって、練習もキツいですし、それに付いていく部分でもまだまだでしたね」。一向に光の見えないトンネルを、とにかく手探りで進むしかなかった。
初めてリーグ戦で出場機会が巡ってきたのは、3年生になった昨年の7月。2点をリードした終盤にクローザーとしてピッチに送り込まれ、チームの勝利を味わったが、以降もスタメン出場はわずかに3試合だけ。明確な立ち位置を築き上げるまでには至らない。
苦しい時間を支えてくれたのは、周囲の人たちの存在だったという。「一番の支えは家族や友達でした。自分を応援してくれる人がいっぱいいて、特に家族は身近で支えてくれたので感謝していますし、そこに対して『恩返ししたい』という想いが一番強かったですね」。大学最後の1年となる今シーズンには、並々ならぬ決意で臨んでいた。
迎えた2024年。リーグ開幕戦となる拓殖大戦でスタメンに指名された畑橋は、国士舘大の今季初ゴールでもあり、自身にとっても4年目にしてリーグ初ゴールとなる先制点を記録。チームも2-1で開幕白星を飾ると、そこからはセンターバックの定位置を掴み、ここまで最終ラインを逞しく束ねてきたことで、少しずつ自信も纏いつつあるようだ。
この春には“盟友”との思わぬ別れもあった。高校時代から5年近い時間をチームメイトとして過ごしてきた影山秀人が、サッカーを続けられなくなってしまったことを自身のXに投稿。「ずっと寮でも一緒で毎日会っていたのに、急にいなくなっちゃったので、正直寂しい部分もありましたね」と畑橋も正直な気持ちを明かしながら、こう言葉を続ける。
「ただ、カゲは本当に頭がいいので、サッカーをやめなきゃいけないという状況になっても、その先をちゃんと自分の中で考えているというのは凄いところで、アイツなら何も問題なく、この先もやっていけるのかなと。その分も自分はどんどん上に行けるように頑張らないといけないなと思っています」。
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