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[関東]3度の前十字靭帯断裂を乗り越えた不屈のプレーメイカー。大宮内定の東洋大MF中山昂大が古巣帰還で成し遂げたい想いと覚悟

ゲキサカ / 2024年8月19日 19時3分

「チームにはいろいろな選手がいて、そういう選手たちを生かしながらも、自分が先頭に立って何かを言うというよりは、周りをうまくカバーしたり、気を遣って周りを見たりして、自分の色を出しながらやれてきたので、ちょっと余裕が出てきたのかなって。今は『自分らしくチームをまとめていければいいな』と思えるようになりました」。

 確かにこの日の試合でも、中山の表情には笑顔が目立っていた一方で、納得のいかない判定に対しては主審に対して毅然と抗議する一幕も。自分の中でキャプテンとしてのバランス感覚を掴みかけている様子も窺える。

 ハーフタイムを挟むと、ゲームの流れはホームチームへ大きく傾いたものの、なかなか次の1点は遠く、結果は1-1のドロー。「今日勝てれば一番大きかったですけど、後半のような試合を続けて、できるだけ上に食らい付いていきたいなと思います」(中山)。東洋大は5勝3分け5敗の5位という成績で、1か月近い中断期間を迎えることになった。



 中山のここまでを振り返る上で、欠かせないキーワードがある。それは『前十字靭帯断裂』。高校2年と3年時には左ヒザの、大学1年時には右ヒザの前十字靭帯断裂という大ケガに見舞われ、いずれも10か月近い長期離脱を強いられている。

 とりわけ大学入学後の“3回目”は、それまで以上に中山のメンタルへ大きなダメージを突き付ける。「大学に入って2回目が治って、夏ぐらいに復帰して、コンスタントに90分のゲームにも出ていましたし、自分としてもコンディションが上がってきた時のケガだったので、正直気持ち的にはかなり落ちましたね」。

 3年続けて同じ箇所ばかりの大ケガ。「また10か月ぐらい休まなきゃいけないわけで、『もうキツいな。サッカーをやめようかな……』というぐらいの気持ちになりましたし、心が折れそうになりましたね」。とにかく苦しい状況に陥った中山を救ってくれたのは、仲間の存在だった。

「同じ時期に同期のポンセ(尾森世知)が同じケガをしてしまったんですけど、アイツの存在も大きかったですね。アイツに負けじとリハビリしてやろうという気持ちもありましたし、ちょっと後に同じケガをした宮市(亮)さんもそうですけど、いろいろな人がケガをしている話も聞いたりして、『ああ、オレよりしんどい人もいるな』と感じましたし、他の人のパワーをもらいながら、もう1回頑張ろうと思えました」。

 加えて語り落とせないのは、いつだって一番の味方でいてくれた家族の存在だ。「やっぱり3回目にケガした日に迎えに来てもらった時は相当しんどかったですし、親も見えないところで泣いていたんだろうなというのも感じていました。でも、いつも自分の前では笑顔で迎え入れてくれますし、『一緒に頑張ろう』と言ってくれて、そこは小さい頃からずっと変わらないので、本当に感謝しています」。家族を喜ばせたいというモチベーションが、中山を前へと歩ませてきたことに疑いの余地はない。

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