“黒子役”の1G2AにSofascoreも異例の「10点」満点評価…「大人になった」と認める久保建英が”鬼門”で示した唯一無二の価値
ゲキサカ / 2024年9月6日 7時4分
続いて前半45+2分に決まった三笘の追加点も、久保が狙いとしていた形から生まれたものだった。久保は右サイドの大外の深い位置を取り、相手のマーカー2人を引き寄せると、戻したパスから堂安がクロスボールを配球。そのイメージは所属先のソシエダでの左利きMFブライス・メンデスとの関係性だったという。
「僕が無理に突破するよりフリーの選手にチョンってつけて。あれは特にソシエダでブライス・メンデス選手とよくやっているのと全く同じ。本当に彼みたいなボールを堂安選手が蹴ったので入ったなと思いました。ああいうのは僕の特長の一つで、相手を引きつける力があるので、あまり寄りすぎずにああいうところで待ってくれるとフリーで受けられるチャンスがあるよというのはみんなも分かってくれたかなと思います」
さらに後半は別の形で“黒子”を担った。堂安から伊東、MF遠藤航(リバプール)からMF田中碧(リーズ)と周囲で選手交代が続いて顔ぶれが変わった中、前半から感じていた課題の修正も同時に行っていたという。
「前半は個人的に際どいパスコースを探してちょっと持ちすぎな部分があるかなという感覚があった。なので例えば伊東選手が出てからは簡単にはたこうという意識とか、パスの強度をもう少し上げようとか、それも田中(碧)選手だったら止めてくれるなとか。人を見ながらもちろん人によって判断を変えるけど、パススピードとかも変えてあまり持ちすぎないようにと考えていました」
その際には中央にも顔を出すポジションの変化も見られたが、そうして周りを輝かせるのが、久保の考える“黒子”の仕事だ。試合前日にはゴールへの意欲について「ないって言ったら嘘になるけど、あまり俺が俺がって感じでもないですね」と達観した様子で答え、新たなプレースタイルに注目が集まっていたが、周囲を支える仕事にも大きなやりがいを見出しているようだ。
その境地に至った要因はラ・リーガで積み重ねた実績であり、その実績に支えられた自らの能力への確固たる自信だろう。この日の試合後の久保の言葉を借りれば、“大人の余裕”と言えるかもしれない。
「大人になったのが一つと、いまは余裕があるので。“僕が僕が”が全てじゃないし、あくまでもチームスポーツなので。僕が一番いろんな選手の良さを出そうというのを今回は意識していました」
「内心は全然“俺が俺が”ですけど、“俺が俺が”が正解じゃない時もある。チームが勝つために何が最適解か。僕が考えたことが最適解じゃないことももちろんあるけど、できるだけ僕が最適解だと思うプレーをいつもするようにはしています」
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