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アカデミー生え抜きの10番が携えるトップ昇格選手のプライド。名古屋U-18FW杉浦駿吾が明確にイメージする未来予想図

ゲキサカ / 2024年9月24日 19時23分

 狙ったコースは左。GKが飛んだのも左。それでもゴールネットは豪快に揺れる。「読まれても止められないところに蹴る練習はしているので、PKに自信はあります」。これで今季のプレミアリーグでは、3本のPKを蹴っていずれも成功。杉浦の冷静な一撃で、ホームチームが早くも1点をリードする。

 次のゴールに繋がったのは、課題として練習から取り組んできたプレーだった。9分。MF八色真人(2年)は左へ振り分け、年代別代表も経験してきたMF池間叶(3年)がボールを持つと、杉浦はすぐにイメージを共有させる。「自分はクロスに対する入り方が課題なので、今日はそこを意識していました」。

 少しスピードを緩めながら、空いているスペースへ走り込むと、グラウンダーのボールを左足でシュート。ここはDFにブロックされたが、こぼれ球を大西が詰めてチームに2点目が記録される。巧みな“クロスの入り方”が呼び込んだ追加点。ただ、「あそこに入って行けたことは良かったのかなと思うんですけど、切り返して自分でも打てたかなと思います」と別の選択肢もイメージし直すあたりに、飽くなき成長欲が滲む。

 後半に入ると名古屋U-18はもう1点を追加したものの、そこから立て続けに2失点を献上し、1点差まで追い上げられる。「守った後のクリアボールをマイボールにすることだったり、自分のところで時間を作ることはタスクとして考えていました」という杉浦も、時には自陣まで戻って守備に奔走。チームのために献身的なプレーをまっとうできるのも、この男の語り落とせない大事な武器だ。

 結果は3-2での辛勝。「嬉しかったですけど、なんか『あ~』みたいな感じでした(笑)。3点先行できたことはチームの力ですし、自信を持っていいところですけど、2点追い上げられて苦しい展開になるのは神村学園戦もそうだったので、3点獲ってももっともっと攻撃的に点を獲りに行くことは、チームとして意識していきたいと思います」。2得点に絡んだ10番は、さらなるチームとしての進化に目を向けていた。



 7月17日。クラブから来季のトップチーム昇格内定がリリースされた。それから2か月。周囲からの見られ方も変化しつつある中で、杉浦にもその自覚は確実に芽生えている。

「自分が“昇格する選手”だということはあまり考えすぎずに、今チームのためにできることを意識して、練習や試合をしているんですけど、自分としてもプライドはあるので、簡単に1対1の局面では負けたくないですし、そういうところは昇格が決まってからより意識するようになりましたね」。

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