「ラモスさんやカズさんから受け継いだモノ」。OB監督の下で勝負強さを取り戻す! 15戦無敗の東京Vユースが3節残して悲願のプリンスリーグ関東1部制覇!
ゲキサカ / 2024年10月7日 11時43分
コロナ禍の影響で1回総当たりとなった20年度に制した経験を持つが、東京Vユースにとってフルシーズンでの優勝はプレミアリーグから降格した14年以降で初めて。薮田光教監督は「参入プレーオフ進出は決まっていたので、ここからは本当に1試合1試合がそこを想定した戦いになると選手に伝えていた」としつつも、「最後まで集中していたし、勝ちたいという想いが本当にプレーに出ていた。本当に応援したいという気持ちにさせてくれたので、これを続けていけたらもっとレベルアップしてくれる」と選手たちを労った。
東京Vユースにとって、この10年間は苦難の連続だった。11年にプレミアリーグが創設されて以降、毎年のように優勝争いを繰り広げ、2012年にはEASTを制覇。だが、2014年に降格。以降はプリンスリーグでの戦いを余儀なくされ、参入プレーオフも2016年を最後に遠ざかっていた。
そうした状況下で中後雅喜前監督からバトンを受けたのが、クラブOBでユース出身者でもある薮田監督だった。昨季、コーチから指揮官に昇格すると、伝統のテクニカルなスタイルを大事にしつつも、勝負にこだわる姿勢を徹底。「そこは常に言ってきました。自分がそれで育ってきたから。ラモスさんやカズさんから受け継いだモノはユースの子にもどんどん伝えてあげたい」という想いで、選手たちと向き合ってきた。
そうした成果は身を結び、チームは開幕から15戦無敗。14勝1分という圧倒的な数字で優勝に辿り着いた。練習の雰囲気も今季はさらに良くなり、誰もが勝つことに対して強い執念を示すように。些細な勝負でも負けたくないという感情が随所に見られ、井上も今季のチームについてこう語る。
「練習から勝負にこだわってきた。ミニゲームでも負けたくない。その気持ちはみんなに浸透している。今年は負けず嫌いの選手が多いけど、普段から薮田さんも厳しいので」
ヴェルディらしさ=勝負へのこだわり――。指揮官はその類の質問に対し、常々技術ではなくメンタリティーの部分に触れてきた。勝つための執念は練習内容にも現れており、一昨年までは“走りの日”は設けていなかったが、昨季からは水曜日にフィジカル強化の目的で様々なトレーニングを実施。夏にも4日間ほど体力強化の合宿を行い、午前の1時間はスプリント系や走力強化に特化した場を設けた。コンディション管理も担当する石井寛也トレーナーが組む過酷な練習にも音を上げず、誰もがサボることなくメニューを完遂。「めちゃくちゃきつかった」と笑顔を見せたキャプテンの坂巻もその1人で、チームで最も“走り”を苦手としていた男は背中で示すべく、誰よりも率先して取り組んだ。
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