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[関東2部]ピッチの中に染み渡っていく唯一無二の存在感。水戸内定の立正大MF川上航立は仲間と積み上げてきた4年間を信じて「最後の3試合」を全力で戦い抜く!

ゲキサカ / 2024年10月29日 19時25分

 転機は意外な形でやってくる。「3年生の春もBチームにいたんですけど、4年生の先輩が就職活動ということでボランチのポジションが空いて、『そこに入ってみろ』ということで、安定したプレーを出せたんですね。それでも次の週の練習試合もスタメンを外れていたんですけど、同じポジションの選手が目のあたりを切ってしまって、自分が途中から入ったら、良いプレーができたんです」。

「その次の日がリーグ戦の開幕やったんですけど、そこで先発で使われると、そこから1年間全試合にスタメンで使ってもらいました」。先輩の就職活動と、ライバルのケガという2つの要因が重なって、巡ってきたチャンスを生かした川上は、少しずつチームの中で欠かせない選手へと成長を遂げていく、

「地味な役割ですけどチームの力になれている実感はあったので、試合に出続けられたことは大きかったですね。でも、あまり変わったことはしていなくて、地道に練習をやってきたからこそ、パッと使われた時に安定したパフォーマンスが出せたので、今までの積み重ねが良かったなと思います」。努力を積み上げられる才能は、自分自身を裏切らなかったのだ。



 その知らせを聞いたのは、意外なタイミングだった。水戸の練習に3日間参加して、少し経ったころ。川上の携帯電話に着信が入る。「お風呂に入って動画を見ていたら杉田(守)監督から電話が掛かってきて、すぐに脱衣所に行って話を聞いたら『水戸からオファーが来たぞ』と言われて、もう『え~!ありがとうございます!』と(笑)」

 興奮冷めやらぬまま、家族へ電話を掛ける。「『オファーをもらった!』と言ったら、『何のオファー?』と聞かれて(笑)。水戸の話をしたらメッチャ喜んでいましたね。やっぱり両親が一番心配してくれていたと思うので、それは良かったですし、家族とか高校時代の恩師でもある古沢(徹)先生、立正のスタッフが喜んでくれたことが一番嬉しかったです」。お世話になった方々へ、少しだけ恩返しができた気がした。

 この日の試合後には、想いを新たにする出来事もあった。サッカー部の運営サイドの尽力で開催されたJリーグ内定選手の即席サイン会。チームメイトと一緒に並んだ川上のところにも、子どもをはじめとした観戦者が列を作る。

「サイン会なんて初めてです。やっぱり応援してもらえるって嬉しいですね。『今日は良いプレーをしてくれてありがとう』なんて知らない方に言ってもらえて、『ああ、これがプロサッカー選手なんだな』って思いました」。夢を与えられる側から、夢を与える側へ。その職業に就く意味を、走らせるペンの重みで実感した。

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