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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:前へ進む(立正大・熊倉匠)

ゲキサカ / 2024年10月30日 19時29分

 熊倉はこの3年半の時間を共有してきた“盟友”への感謝を隠さない。今シーズンはジョーンズが開幕スタメンを獲得。3節と4節こそ熊倉も出場したものの、それ以外の試合では一貫してジョーンズがピッチに立ち続けてきたが、リーグも終盤戦に差し掛かった17節からは3戦続けて背番号1が先発に返り咲いている。

「勝つために何が必要かということをお互いに考えてやっているので、ここまで切磋琢磨しながらやってきました。アイツの調子が良かったら、自分も気を引き締めてやらないといけないですし、常に自分に刺激を与えてくれる存在ですね」。今は最高の“ライバル”の想いも背負って、ゴールマウスを守っている。


 山梨学院高のキャプテンとして挑んだ第99回高校選手権で、熊倉は大会を通じてハイパフォーマンスを披露。とりわけ決勝の青森山田高戦では、PK戦でFC東京U-15深川時代のチームメイトでもある安斎颯馬(早稲田大4年/FC東京内定)のキックをストップし、日本一の立役者となったことで、一躍サッカーファンに名前を知られる存在となる。

 大きな希望を抱いてスタートさせた大学生活だったが、3つ上には湯沢拓也(ミネベアミツミFC)、1つ上には杉本光希(磐田)、同期にはジョーンズと実力者が居並ぶGK陣の中で、公式戦のベンチ入りもままならない日々が続く。

 それでも自分の中で掲げた目標だけは、ブレることがなかったという。「周りからの声やプレッシャーは凄くありましたし、自分の理想としていたものと現実のギャップはありましたけど、目指しているところは変わらなかったので、そこがブレないようにいつでも見えるところに『プロサッカー選手になる』という目標を書いて、キツい時にもそれを見るようにはしていました」。

 最初の3年間でのリーグ戦出場はゼロ。常に悔しい想いは持ち続けていたが、かつての栄光と今の苦しい時間を必要以上に比較するようなことは、ほとんどなかったそうだ。「やっぱり日本一なんて誰にでも経験できることではないので、そこは自分の中でも誇りに思っていましたし、『もっとやらなきゃいけないな』と思わせてくれる1つの原動力にはなったと思います」。あの日の埼玉スタジアム2002で眺めた景色を思い浮かべ、あの歓喜を味わった自分ならできると言い聞かせ、目の前のトレーニングと向き合っていく。

 迎えた大学ラストイヤー。キャプテンに指名された熊倉は、前述した3節の立教大戦で4年目にしてとうとう大学リーグデビューを果たし、その試合にも勝利したものの、5節からはベンチスタートへと逆戻りすることになる。

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