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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:前へ進む(立正大・熊倉匠)

ゲキサカ / 2024年10月30日 19時29分

 ただ、やるべきことを変えるつもりは毛頭ない。それは大学に入学してから、いや、むしろサッカーを始めたころから、常に自分の中で大切にしてきたことだ。「いつチャンスが来るかわからないので、常に良い準備をしてというところは、ずっと心掛けてきました。『満足したら終わりだな』と大学生活で感じてきましたし、常に上を目指しながら、そのために逆算して行動することは凄く大事だと思います」。その志を貫く中で、この時期になって再びチャンスを手繰り寄せたのだ。



 今季のホーム最終戦。立正大は前半42分にDF田中誠太郎(4年=高川学園高/宮崎内定)のスーパーミドルで先制。前半の内に1点をリードするも、その直後に決定的なピンチがやってくる。左サイドで許したクロスから、ドンピシャのヘディングを枠内へ打ち込まれたが、凄まじい反応でビッグセーブを見せた熊倉は、こぼれ球を拾われ、至近距離から再度放たれたシュートも、身体全体を使って弾き出す。

「日ごろからああいうシュートに対して、準備してやってきていることが出たなというところで、練習の賜物かなとは思いますけど、『止められて良かったな』と自分の中でホッとしたところはありますね。良いセーブができたと思います」。思わずボールパーソンも「アレがプロに行くクオリティか……」とつぶやくような圧巻の連続セーブ。守護神の意地がホームグラウンドで炸裂する。

 後半に入ると開始早々に追い付かれたが、19分にはMF新山大地(4年=高川学園高)が田中に負けずとも劣らない強烈なミドルをゴールへ突き刺し、またもリードを奪うと、31分にもMF川上航立(4年=帝京長岡高/水戸内定)のアシストからFW多田圭佑(4年=矢板中央高/水戸内定)が3点目を叩き出す。

 全得点を4年生が記録した試合は、3-1で快勝。「チームとしてもこの4年間は苦しいこともたくさんあったんですけど、ここで4年生がやれるのも最後というホーム最終戦で、4年生の3人が点を獲るというのは凄く意味があることでしたし、凄く感慨深いゲームでした」。試合後はキャプテンも笑顔を浮かべ、チームメイトと勝利の歓喜に浸った。



 城西大に勝ち切った試合から、わずかに4日前のこと。10月23日に鹿児島ユナイテッドFCから熊倉の2025シーズン加入内定のリリースが発表された。

「監督とコーチが鹿児島の方と繋がりがあって、『キーパーを探している』ということで、自分のことを推してもらって、そこから気にしてもらえたところが最初だったと思うんですけど、それで9月に入って練習に呼んでもらった形でした」。それまでもいくつかのJクラブの練習には参加していたものの、正式なオファーは届いていなかった。

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