土壇場で共有されたイメージは「紡がれてきた歴史とストーリー」。開志学園JSCは日本文理と繰り広げた超激闘を4-3で制して10大会ぶりの全国に王手!:新潟
ゲキサカ / 2024年11月3日 19時9分
壮絶なドラマのエンディングは最終盤も最終盤に待っていた。ほとんど所定の100分間も終わりかけていた延長後半10分。ここもイヴァニツキーがシンプルに背後を狙ったボールに、飛び出した阿部がエリア内で倒されると、笛を吹いた主審はペナルティスポットを指し示す。
両チームの明暗を、試合の勝敗を決定付ける重要なPK。キッカーは阿部。「エースは自信を持って蹴ることで絶対にゴールに繋がると思っていたので、ブレずに『決める!決める!』と言いながら流し込みました」。ゴールネットが揺れ、チームメイトが走り寄り、スタンドの応援団が沸騰する。
「終わった瞬間は嬉しいというよりも、本当に安心したというか、身体の全身から力が抜ける感じでした」(松浦)「勝ちが決まった瞬間はみんなで抱き合って、最高でした。メッチャ嬉しかったです」(柏谷)「試合自体も追い付かれての得点の入れ合いでしたけど、やることを変えずに、ブレずに、全員で気持ちを高めた結果がああいう形に繋がったのかなと思います」(阿部)。ファイナルスコアは4-3。日本文理を土壇場で振り切った開志学園JSCが、10大会ぶりの全国出場へあと1勝に迫る結果となった。
開志学園JSCがたどった不思議な“偶然”について、宮本監督はこう話す。「今回の選手権に入る前に『去年はこういう形で先輩たちがここまで持ってきたんだよ』というストーリーを伝えたので、それは彼らに焼き付いていたと思いますし、そういう部分がオーバーラップしたところはあったかもしれないですね」。
昨年度の高校選手権新潟県予選準決勝。この日と同じステージで上越高と対戦したチームは、2点を先行しながら逆転を許したものの、そこから粘り強く追い付くと、最後は延長前半の勝ち越しゴールで4-3と劇的な勝利を収めて、決勝へと進出していた。
同じ選手権県予選の準決勝。同じ3-3というスコアでの延長突入。「その試合のビデオもミーティングで長い時間見ましたし、その記憶があったからこそ、あそこでポジティブになれたのかなと思います」とキャプテンの松浦が話せば、「去年の準決勝も厳しい試合で、同じような展開の延長で勝ったんですけど、今日の勝利もその試合と同じように最後まで諦めないでゴールに向かい続けた結果かなと思います」とは柏谷。先輩たちが残してくれた歴史が、紡いでくれたストーリーが、今年のチームにしっかりと受け継がれていたことは間違いない。
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