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“絶対王者”富山一の10連覇阻んだ龍谷富山が史上初の決勝進出!! 創部&就任21年目で夢に近づく元名門校GK指揮官「浮かれることなく準備したい」

ゲキサカ / 2024年11月6日 13時17分

 そうして迎えた前半9分、ファーストチャンスで先制に成功した。相手GKがボールをピッチに置き、持ち上がりながらロングキックを試みるやいなや、最前線の横山が猛烈なスプリントでプレッシングを敢行。身を挺してロングキックをインターセプトし、左サイド裏にボールを残すと、角度のないところから左足シュートで無人のゴールに流し込んだ。

 衝撃的な先制ゴールにスタジアムは大きくざわめいたが、このパターンは試合前から想定していた形だった。「まずはボールを持たせて運んできたところでコースを消すということをやっていた。相手の弱点としてGKのキックが飛ばないというのもあったので、ゴールも取れるかなと思って一発を狙っていた」(横山)。決めた10番がそう話せば、指揮官も「そこはチームとして狙っていたので」と冷静に振り返る“してやったり”のゴールだった。

 またその後は目が覚めた富山一が攻撃のスイッチを入れてきた中、龍谷富山はライン間で受けるダブルボランチを徹底的にマーク。また富山一の武器でもあるウイングバックへのダイナミックな展開をことごとく封鎖し、さらにカウンター攻撃に出ていく脅威も示し続けた。

「相手のボランチの子たちにボールを握らせると面白くないなと思っていたのと、サイドチェンジを狙ってくるなというのも今までの試合を見ていて感じていたので、そこは狙いに行こうよと話していた。うちのボランチが運動量豊富に行ってくれた」(濱辺監督)。前半34分にはクリアが相手に当たる形で不運なピンチを招き、FW村上文太(3年=Kurobe FC)のゴールで同点に追いつかれはしたが、上々の40分間を演じてみせた。

 また1-1で迎えたハーフタイムも試合の行方を左右するターニングポイントとなった。並のチームであれば、絶対王者へのリスペクトから「最低限の結果になった」という安堵感や、後半の猛攻に備えなければならないプレッシャーも出てきがちなシチュエーション。だが、今季の龍谷富山は「相手に物おじしない」(濱辺監督)チームとあり、主将の「勝ちに行くんだ」というメッセージがチームの方向性を明確にした。

「1-1という状況で前半を終われたけど、『自分たちはこのままでいいのか』と。『このまま試合を進んでいったら間違いなく負けるぞ』って声をかけた。『俺たちがチャレンジャーとしてあっちを倒すという勢いでもっとやっていかないと勝てんと思う』と」(横山)。その果敢な姿勢は富山一の猛攻を抑えるどころか、王者の心を折るようなゴールラッシュにつながった。

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