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「打倒・青森山田」に3年間を懸けた絶対的キャプテンが必死にこらえた涙。八戸学院野辺地西FW堀田一希の高校サッカーはまだ終わらない!

ゲキサカ / 2024年11月7日 18時36分



 立ち上がりは上々だった。堀田とFW成田涼雅(3年)の2トップが前から果敢にプレスを掛けつつ、セカンドボールの回収でも青森山田を上回り、シンプルなアタックからゲームリズムを引き寄せると、19分には成田が先制ゴールをゲット。八戸学院野辺地西は1点のリードを奪う。

 37分には一瞬のスキを突かれて同点弾を献上。前半は1-1でハーフタイムへ折り返したが、「1-1は想定内というか、『0-0で折り返すのと一緒で、最初に戻っただけだ』とはみんなで言っていましたし、『後半は失点なしで、前半の前半でやれていたことをやろう』という話もしていました」と堀田も振り返ったように、チームの雰囲気は決して悪くなかったという。

 ただ、やはり青森山田はしたたかだった。後半4分にPKで逆転ゴールを奪うと、以降は八戸学院野辺地西のはやる気持ちを巧みに逸らせながら、次の1点も虎視眈々と狙っていく。

「後半に入って山田もギアを上げてきた中で、走り負けたり、セカンドボールを拾われたりと、すべてにおいて上回られたところはあったと思います」という堀田も18分にはMF芋田脩南(3年)の仕掛けからチャンスを迎えたものの、右足で打ち切ったシュートは相手DFが身体を投げ出してブロック。どうしても同点に追い付けない。



 終了間際の37分。青森山田に決定的な3点目が記録される。「山田の底力というか、全国で通用する勝負強さを実感しました。本当に1年良い準備をしてきたからこそ、結果を出せなくて悔しいですね」。そう話した堀田の耳に、タイムアップのホイッスルの音が響く。3年間追い掛け続けた背中には、あと一歩まで迫りながら、届きそうで届かなかった。

 準優勝の表彰式。キャプテンマークを巻くオレンジの10番は、必死に上を向いていた。

「スタンドの前に整列した時に、いろいろな人が自分たちに声を掛けてくれていたんですけど、そういった人たちに自分たちが歴史を変える姿を見せられなかった悔しさと、もう1つは信じて応援してくれた親とか家族、チームメイトに申し訳ないなという想いがあったんですけど、自分が泣いたら示しがつかないですし、この試合に出られなかったヤツらにも申し訳ないなと思って、涙を我慢していました」。



 負けたことはもちろんだけれど、ここまでの3年間を、あるいはサッカーを始めたころから自分を支えてきてくれた人たちに、笑顔を届けられなかったことが何より悔しかった。「今まで支えてくれた人に恩返しできなかったのは心残りです」。その一方でここまで最高の仲間と、最高のチームを築き上げてきたことには、キャプテンとして小さくない充実感も覚えていた。

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