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「いつもとは違う15分間」のベースになったのは「いつも通り」を貫くマインド。実践学園は終盤の決勝点で駒澤大高を振り切って7年ぶりの全国に王手!:東京B

ゲキサカ / 2024年11月12日 8時14分

 40+4分。駒澤大高のカウンター。左サイドを内田が執念で運び切り、ゴールライン際からマイナスに折り返すと、富田のシュートは枠を捉えるも、樋口が大事に、大事にキャッチ。そして、その樋口が大きくボールを蹴り出すと、タイムアップのホイッスルが西が丘の空に響き渡る。

「かなりタフなゲームだったので、どっちが勝ってもおかしくないということは見ている皆さんもご存じの通りだったと思うんですけど、自分たちの表現したいことはある程度表現できましたし、自分たちのスタイルを貫いて勝ちにこだわってゲームができたんじゃないかなと思います」(内田監督)。勝負強さを発揮した実践学園がウノゼロで勝利を収め、7年ぶりの全国出場へ王手を懸ける結果となった。

スタンドの応援団と勝利を喜ぶ実践学園のキャプテン、DF岸誉道

 一昨年度の選手権予選準決勝でも西が丘のピッチを経験している実践学園だが、その試合に出場していたのは冨井だけ。スタンドには両校の大応援団が詰めかけ、味わったことのないような声援が飛び交うこの日の80分間が、彼らにとって未体験のゾーンだったことは間違いない。だが、試合前にキャプテンの岸はこんなことをチームメイトに話していたという。

「この舞台には、みんなの前で良いプレーをするために立つのではなくて、良い会場で試合をするために立つのでもなくて、とにかく目の前の細かい勝負に勝つ、目の前の試合に勝つということが何より大事だから、その部分をしっかり徹底して、周りの声をかき消すぐらいの気持ちで、目の前の勝負を全うしてほしいということを言いました」。

 一方で内田監督はこの特別な試合に向けて、立ち上がりの戦い方にいつもとは違う“戦略”を立てていた。「選手は初めての西が丘ということもありますし、落ち着かないことはわかっていたので、今までは“10分”でやっていたことが多かったんですけど、今日は『まず“15分”はとにかくシンプルにやって、ゲームのリズムを作ってから、自分たちのペースでやろう』という話をしました。正直その15分でやられる可能性も十分にあったのですが、今までは入りのところでやられるシーンが結構あったので、同じ轍は踏まないぞというところで、普段よりちょっと長い時間ですけど、今日はそういう形でやりました」。

 いつもより“5分”長いセミファイナル用の立ち上がりにも、『いつも通り』のマインドを携えた選手たちは順応し、まずはフルパワーでやり合ってから、以降は少しずつ、少しずつ、積み重ねてきたボールを繋ぐスタイルを打ち出していく。そして残り10分で先制してからは、コーナーでのボールキープも含めて時間の使い方も実に理想的。「ミーティングもして、やることを最後まで統一しようというところで、最後までうまく時間を使ってゲームを閉めた感じです。それも全部練習通りでした」と美濃島。目の前の必要なことを全員が全力でこなし切った先に、この日の勝利が待っていたのだ。

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