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県内二冠を懸けた前橋育英との100分間は「もう楽しすぎた!」。共愛学園DF天田諒大が決勝の試合後に浮かべた涙と笑顔

ゲキサカ / 2024年11月12日 18時20分

共愛学園高の最終ラインを支えるセンターバック、DF天田諒大(3年=PALAISTRA U-15出身)

[11.9 選手権群馬県予選決勝 共愛学園高 0-3(延長) 前橋育英高 アースケア敷島サッカー・ラグビー場]

 それはもちろんこの試合に勝って冬も全国大会に行きたかったけれど、不思議なぐらい後悔はない。だって、こんなにも最高の仲間たちと、こんなにも最高のステージで、最後の最後までひたすらボールを追い掛けられたのだから。

「凄い応援の中で試合をやれて、もうインターハイの全国大会より楽しかったです。延長に入って、まだ0-0の時も、たぶん自分はメッチャ笑っていたと思うんですよ。もう楽しすぎたというか、『守るか、守らないか』より『楽しい!』が勝っていました。本当に最高でした」。

 インターハイ予選に続く県内二冠を目指した共愛学園高の闘争心あふれるセンターバック。DF天田諒大(3年=PALAISTRA U-15出身)はようやく立ったファイナルの舞台を存分に楽しんで、激闘を繰り広げたピッチを堂々と去っていった。


 6月。共愛学園の選手たちは歓喜に沸いていた。福島行きを懸けたインターハイ群馬県予選。準決勝で絶対王者の前橋育英高をPK戦で倒した彼らは、決勝でも常磐高を5-1で下して、同校初となる全国大会の出場権を獲得する。

 表彰式が終わった後のこと。「オレたちも写真撮ってください!」と2人の選手が近づいてくる。彼らは準決勝で前橋育英撃破に貢献しながら、その試合で大会2枚目のイエローカードを提示され、決勝は出場停止となっていた主力の2人。中盤のキーマン・MF村山優成(3年)とディフェンスラインのキーマン・天田だった。とりわけ後者はとにかくエネルギッシュ。「全国は必ず活躍します!」と宣言する姿が印象に残った。

インターハイ決勝の試合後。天田(右)と村山がポーズを取る

 7月。迎えたインターハイの初戦。仙台育英高と対峙した一戦は0-1で惜敗し、全国大会での初勝利は叶わなかった。試合後。スタメンフル出場を果たし、最終ラインで奮闘した天田は、少しうつむき加減で取材エリアへやってきた。

「全国に連れていってくれた仲間が、自分が出ることでベンチになったわけで、その子のためにも勝ちたかったんですけど、届きませんでした」。最初は悔しげに言葉を紡いでいたが、話しているうちに少しずつ元気を取り戻していく。その中で口を衝いたのは周囲への感謝の言葉だった。

「もう最高に楽しかったです。応援も凄かったですし、自分は決勝のピッチに立っていないので、初めてこういう舞台に立って、学校関係者の方だったり、先生もいっぱい来てくれていたので、凄くやる気にもなりましたし、絶対に勝ちを届けたかったです。だからこそ、またみんなで自分たちの強みであるチームの一体感を出して、選手権予選でもう1回群馬を獲って、次こそは全国での1勝を目指したいです」。最後は少しだけ笑顔を浮かべて、いわきの地を後にした。

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