[MOM4935]帝京MF砂押大翔(3年)_優勝旗を抱えながらこみあげてきた涙。「帝京のキャプテン」にのしかかるプレッシャーの先でこじ開けた全国の扉
ゲキサカ / 2024年11月17日 8時4分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.16 選手権東京都予選Aブロック決勝 帝京高 2-1 國學院久我山高 駒沢陸上競技場]
ようやくピッチに響いたタイムアップの笛を聞くと、涙が次から次へとあふれてくる。名門校のキャプテンを務めてきたプレッシャー。自身のミスで失点したところから逆転勝利を収めた安堵。悲願になりつつあった全国出場をようやく達成した喜び。さまざまな感情が一気に心の中に押し寄せる。
「今日に懸ける想いというのは自分もチームメイトも強いものがありましたし、この1年間、この3年間、自分たちがずっとやってきたことが1つの形として現れてくれたことへの嬉しさが一番大きかったです。ちょっと涙が出てきてしまいました」。
15年ぶりの全国出場を手繰り寄せた帝京高を力強く束ねる不動のキャプテン。MF砂押大翔(3年=鹿島アントラーズノルテジュニアユース出身)が備える圧倒的なリーダーシップが、ファイナルでもチームをしなやかに勝利へと導いた。
「なかなか自分たちのスタイルを打ち出せなかったですね」。砂押は前半の立ち上がりをそう振り返る。高校選手権東京都予選Aブロック決勝。攻撃力に定評のある國學院久我山高との一戦は、やや帝京が相手の勢いに押される流れの中でスタートする。
前半18分。先制点は國學院久我山に記録される。右サイドの深い位置へ侵入され、喫した失点。きっかけは砂押の縦パスが相手に奪われたシーンだった。みんなで集まった円陣。気落ちしかけていたキャプテンに、チームメイトは笑顔でポジティブな声を掛けていく。
「自分のミスで失点してしまったというところで焦っている中で、田所(莉旺)が『笑おうよ』と言ってくれましたし、チームメイトが『大丈夫だよ』とかいろいろな声を掛けてくれて、そういう言葉が励みになりました」(砂押)
みんなの気持ちを受け取った砂押は、前を向く。丁寧にパスを捌き、セカンドボールをいち早く回収し、シビアなゾーンに入ってきた相手には厳しく寄せる。「失点してからは『本当にこれは取り返さないといけないな』という、もっと強い想いを自分の中でも抱きました」。戦う気持ちに一層スイッチが入る。
34分にFW森田晃(3年)のゴールで同点に追い付くと、チームも改めて落ち着きを取り戻す。迎えたハーフタイム。ロッカールームの雰囲気にも砂押は手ごたえを感じていた。「得点して良い形ではあったんですけど、誰一人油断している気持ちは見えなかったですし、『このままじゃダメだぞ』という強い意志も感じられて、自分もチームメイトもより後半に強い想いで入れたと思います」。
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