シーズンの最後に待っていた「敗戦の記憶」。横浜FCユースの圧倒的ムードメーカー、DF家田唯白は1年後のファイナルへの帰還を誓う
ゲキサカ / 2024年12月16日 18時53分
[12.15 プレミアリーグファイナル 横浜FCユース 0-3 大津高 埼玉]
言いようのない感情が渦巻く中で、懸命に前を向く。この悔しさを必ず大きな糧にして、ここからのチームに生かしていかなくてはいけない。それがファイナルのピッチに立った自分が、1年間背負っていくべき大事な使命だ。
「僕たち2年生はあと1年ありますし、ここまで連れてきてくれた今年の3年生のためにも、みんなでこれからの1年間ももっと練習して、またここに戻ってきたいと思います」。
横浜FCユース(神奈川)の最終ラインから強烈なエネルギーを発する、元気系センターバック。DF家田唯白(2年=横浜FCジュニアユース出身)は一歩届かなかった頂上からの景色を今度こそ眺めるべく、新たなチャレンジへと歩みを進めていく。
「みんな緊張はしながらも『楽しみだな』という話はしていた中で、やっぱり横浜FCのサポーターの方の応援が凄くて、相手の応援も凄くて、気持ちは高ぶったんですけど、埼スタという舞台は楽しんでできたかなと思います」。
高校年代日本一を巡るプレミアリーグファイナル。最終節で堂々のEAST初優勝を飾った横浜FCユースは、WESTを圧倒的な成績で制した大津高と、埼玉スタジアム2002のピッチで向かい合う。スタンドに陣取る水色のサポーターたちを見て、家田の胸は高鳴っていた。
試合が始まると、お互いに負けたくない想いを携えていた中で、やや静かな展開に。家田も「自分は攻撃でもっと違いを見せたい選手なんですけど、ビルドアップのところは前半は相手に合わせてしまってロングボールが増えてしまって、あまり攻撃で違いは見せられなかったと思います」と話したように、チームもいつものようなアタックはなかなか繰り出せない。
だが、守備面では一定の手応えも掴んでいた。「ヘディングでは自分より大きな相手に対して勝つことはできていたので、そこは継続していきたいなと思っていました」。相手の強力アタッカーを相手にしても一歩も退かず。ディフェンスリーダーのDF秦樹(2年)が不在の中、センターバックコンビを組んだDF大川萊(2年)と連携を取りながら、果敢に前へ出て相手の攻撃の芽を摘んでいく。
前半終了間際にはスーパーミドルで失点を喫したものの、チームに過剰な焦りの色は見られない。「後半の初めは結構やりたいことができて、チャンスも増えたと思います」という家田の言葉通りに、12分にはDF佃颯太(2年)が右ポストを直撃する惜しいシュート。同点への期待が高まっていく。
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