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四半世紀前の国立決勝を戦ったキャプテンが母校を率いて聖地に帰還。帝京・藤倉寛監督が実感した「勝負強さ」という名の伝統

ゲキサカ / 2024年12月28日 20時53分

 この日の会見でも、藤倉監督はこう話している。「選手は伝統校だということとか、先輩たちが築き上げたものを、そこまで重く感じるような素振りとか言動はなく、ずっといい緊張感でやってきました」。みんなの合言葉は「『新しい帝京』を見せる」こと。今の自分たちにフォーカスする姿勢は、国立競技場のピッチ上でも何一つ変わらない。

 終盤に差し掛かった後半33分に追い付かれても、選手たちはいたって冷静だった。「おそらく失点した後も声を掛けることすらもできないで、ゲームがスタートしたと思います。ただ、今年のチームは1年間総じて、そういった時にはキャプテンの砂押を中心に、チームがピッチ内で解決してきた場面を見てきましたし、劣勢の準備とか、残り5分でリードされるかもしれないといったところは、ゲームの前に話はしていたので、そういった部分では選手たちが落ち着いて対応していた印象でした」(藤倉監督)。

 失点から2分後の35分。砂押が中盤でボールを奪い、前方へフィード。FW森田晃(3年)が丁寧に繋ぐと、途中交代でピッチに送り込まれたFW宮本周征(2年)が勝ち越しゴールを叩き込む。

「勝負強さというところが、我々の伝統だというのであれば、それは私も感じていて、残り5分、残り1分でも、相手を引っ繰り返してきた大先輩の映像は今でも残っていて、『今日は選手権だから、ドラマチックになるよ』と。選手権だし、国立だし、そうなっちゃうからというイメージで、そんな話をしたんですけど、まさにそれが見事にゴールにも繋がりましたね」(藤倉監督)。2-1。帝京は実に17年ぶりとなる選手権勝利を、逞しく手繰り寄せた。


 1998年1月8日。第77回高校選手権決勝。藤倉監督は帝京のキャプテンとして、国立競技場のピッチに立っていた。相手は2年連続で対峙した東福岡。1点をリードされた後半に自ら同点ゴールを叩き込んだものの、試合は2-4で敗戦。日本一にはあと一歩で届かなかった。

 その時以来、実に25年ぶりとなる聖地への帰還。ただ、実際に監督としてテクニカルエリアに立ってみると、なかなか実感は湧いてこなかったという。

「国立も変わっていましたし、やっぱりピッチの中でやっていたのと、ピッチの外では全然違っていて、選手たちが『うらやましいな』という感じでしたね。正直に言って当時のことをそこまで思い出せない感じもあって、20何年振りと言ってもらって、やっと『ああ、そうか』という感じになりました」。

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