真剣に向き合うサッカーはこの大会が最後。「負けたら終わり」の覚悟を定めた帝京GK大橋藍が気合のファインセーブ連発で17年ぶりの全国勝利に貢献!
ゲキサカ / 2024年12月29日 8時19分
[12.28 選手権開幕戦 帝京高 2-1 京都橘高 国立]
真剣に向き合うサッカーは、この大会が最後だと決めている。だからこそ、勝ちたい。勝ち続けたい。かけがえのない3年間を一緒に過ごしてきたこの仲間たちと、見られる景色は全部見たい。そのためにも、絶対にまたこの国立に帰ってきてやる。
「もう後悔がないようにやりたいですね。ミスもいっぱいすると思いますし、実際に今日の1失点目も自分のミスから失点してしまったので、そこはしっかり考えながらやりたいですけど、自分の中では後悔がないように終わりたいと思っています」。
15年ぶりに冬の全国へ帰ってきた帝京高(東京B)を最後尾から引き締める不動の守護神。GK大橋藍(3年=FC東京U-15深川出身)はようやくたどり着いた夢舞台の景色を1つ1つ忘れないように、その目に焼き付けている。
「意外と緊張しなかったですね。入場して、グラウンドで軽くボールを蹴ったりした時に、『今日は楽しめるな』と思いました。やっぱり国立競技場って本当に広くて、『ああ、ここでできるんだ』というワクワク感が大きかったです」。
日本サッカーの聖地・国立競技場で行われた高校選手権開幕戦。2年生だった昨年から帝京の正守護神を務めてきた大橋は、試合前から高揚感に胸を躍らせていた。待ちに待った全国の初戦。メインスタンドのゲートからピッチへ歩みを進めていくと、視界に応援席が飛び込んでくる。
「グラウンドに入った瞬間に黄色の応援席が見えて、『ああ、応援されているんだな』という実感がありましたし、テンションもメチャメチャ上がりました」。最高の応援に、最高の会場。奮い立つ。もうやるしかない。
1点をリードしていた前半22分。京都橘に決定機。ディフェンスラインの裏にボールを入れられ、飛び出した選手と1対1のシチュエーションを迎えたが、大橋は一瞬で自分がたどるべき最適解を弾き出す。
「裏に抜けられて、ボールが浮いてきた瞬間に、自分の立ち位置が結構前の方だったので、『股を狙われないように、閉じながら行こう』と思って、そのまま突っ込んでいったら身体に当たりました」。全身を投げ出したビッグセーブ。同点弾は許さない。
実は1週間前の練習試合でヒザを痛めていた。一時は全国大会の出場も危ぶまれていたが、吉田正晴トレーナーの献身的なサポートもあって、何とかこの晴れ舞台に立つまでにこぎつける。「ちょっと怖かったですけど、今日はアドレナリンで動いてくれたのか、ヒザの調子も良かったですね。自分のヒザながら頑張ってくれたかなと思います(笑)」。
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