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真剣に向き合うサッカーはこの大会が最後。「負けたら終わり」の覚悟を定めた帝京GK大橋藍が気合のファインセーブ連発で17年ぶりの全国勝利に貢献!

ゲキサカ / 2024年12月29日 8時19分

 後半11分。再び京都橘に決定機。スローインの流れから右サイドを崩され、複数人が絡んだアタックからエリア内へと侵入されたが、大橋は状況をいたって冷静に見極めていた。

「あの体の開き方のシュートだと、『ニアではなくてファーなのかな』という予測で飛んだら、ドンピシャで当たって止められました。自分はどちらかと言うと、反応するより読む方が多いので」。完璧なシュートストップ。ここも同点弾は与えない。

 守護神の奮闘に、チームも燃える。後半33分にはセットプレーの流れから追い付かれたものの、その2分後にはFW宮本周征(2年)がすぐさま勝ち越しゴールをゲット。40+3分に浴びた強烈なミドルシュートは、クロスバーが救ってくれる。

「国立は試合を見に来たことはありましたけど、ピッチに入ったら臨場感が違いました。このプレッシャーの中で、みんなに見られながらプレーするなんてなかなか味わえないですし、自分の中でもこれを目指してやってきたところがあったので、もう楽しかったの一言ですね」(大橋)

 ファイナルスコアは2-1。帝京にとっては実に17年ぶりとなる全国での白星。背番号1のユニフォームを纏ったゴールキーパーも、チームメイトと勝利の余韻をしっかりと噛み締めた。


 小学生時代に在籍していたレジスタFCでは、春のチビリンピックで日本一も経験。中学時代にはFC東京U-15深川でハイレベルな仲間と切磋琢磨するなど、常に各年代の第一線で戦ってきた大橋だが、大学では真剣なサッカーを続けるつもりはないという。

「自分はそこまで身長がないので、これからの将来を考えても、大学で4年間サッカーをやるよりは、何か違うことをやってもいいのかなって。現実をちゃんと見た時に、『サッカーで夢は見れないかな』と思ったんです。正直、高校に入る時からそういう想いはありましたね」。

 高校卒業後は、アスレティックトレーナーや柔道整復師を目指す決意を固めている。「帝京科学大学のAT(アスレティックトレーナー)の人たちが帝京のサポートをしてくれているんですけど、自分がケガをしてリハビリをしている時に、そういう方々に支えられていることを実感したんです。もう大学ではサッカーをやらないと決めていたので、『何をしようかな?』と考えた時に、『そういう道に回ろうかな』と決意しました」。

 チームに帯同してくれている吉田トレーナーの存在も、その決断を後押ししている。「今回も吉田さんがしっかり自分をケアしてくれたので、あの人がいるだけで自分の気持ちも変わるというか、ヒザのケガをした時も『自分は終わったんだ』と思って寝れなかった時に、自分と話してくれて、サポートしてもらったことで前向きになれたので、本当に感謝しています」。

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