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怪我でわずか数分間の出場。岡山学芸館の要・MF岡野錠司は“主将の行動”を全うし、選手権を終える

ゲキサカ / 2024年12月30日 9時11分

岡山学芸館高のMF岡野錠司主将(3年=サンフレッチェ広島ジュニアユース出身)がチームメートに前を向かせる。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[12.29 選手権1回戦 矢板中央高 2-1 岡山学芸館高 フクアリ]

 大黒柱の主将が、出場した時間はわずか数分。1-2で試合終了の笛が鳴ると、岡山学芸館高のMF岡野錠司(3年=サンフレッチェ広島ジュニアユース出身)は、泣き崩れる選手たちに一人ずつ「ありがとう」「(先発で出れず)ごめん」と声をかけ、前を向かせていた。

「インターハイで、予選で負けてしまった時には自分、感情のコントロールできなくて……みんなみたいに倒れてしまったんですけど、(今回は)最後まで学芸館の一員として、ちゃんといい行動ができるようにキャプテンからしないといけないかなって思って、することにしました」。憧れの舞台で躍動することはできなかった。泣きたい気持ちは仲間たち以上。それでも、岡野は悔しさを押し殺しながら、主将の役割を全うした。

 岡野は1年時から選手権メンバー入りし、日本一を経験。そして、2年時には先発としてインターハイに出場している。だが、同年度の選手権は怪我のために出場することができなかった。迎えた今年度は、大黒柱のボランチとしてセカンドボールの回収やプレースキックなどでチームのプリンスリーグ中国優勝や選手権予選優勝に貢献。だが、選手権を控えた12月19日の紅白戦で膝の後十字靭帯を負傷し、選手権の出場が絶望的になっていた。

「キャプテンとして自分がマイナスな気持ちになったらチームの士気が下がると思って、できるだけ自分は怪我人としてでしたけど、チームにはいい影響を与えるように声かけは意識していました」

 1対1の対応など思うようにできなかったというが、復帰を目指して前日練習はフルメニューを消化。ベンチスタートとなったこの日、岡山学芸館は前半から矢板中央高に主導権を握られる展開となってしまう。高原良明監督が「(相手DFの競り合いが強く)セカンドの回収のところをもう少しリズムを出せたらなと思ったんですけど。岡野もいなかったっていうのも痛かったですし」と振り返ったように、岡野不在が少なからず影響を及ぼしていた。

 岡山学芸館は主力DF栃尾優斗(3年)も負傷欠場し、本来ボランチのMF吉岡大和(1年)が最終ラインに入るなど下級生、3年も良く踏ん張っていたが、後半17分に失点してしまう。その岡山学芸館は0-1の後半36分から岡野をピッチへ送り出した。

「自分が出た時は負けてたんですけど1点差だったんで、全然みんなを鼓舞して、(アディショナルタイムを含めると)あと10分ぐらいあったんで、『まだチャンスは絶対ある』ってみんなに言ってたんですけど、もう1失点してしまって……自分がしたいことはできなかったんですけど、そのプレーで見せることはできなかったんですけど、最後出してもらって、いい経験になったなって思います」。0-2の後半アディショナルタイムにFW香西健心(3年)がFKを決めて1点差。あと一歩届かずに敗れたが、岡野は最後に起用してくれた高原良明監督らスタッフに感謝していた。

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