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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:やり切った(愛工大名電高・蒲地陽汰)

ゲキサカ / 2025年1月2日 8時17分


「最高の試合だったと思います」。

 試合後の取材エリアに現れた蒲地は、そう言い切った。もちろん悔しくないはずがない。それでも自分の中には確かな充実感と、周囲への強い感謝の念が、同時に湧き上がっていた。

「もちろんあれだけ次が見えた中で負けたことは本当に悔しいですし、まだできると勝手に思ってしまっていたので、そこは心にぽっかりと穴が空いてしまっている部分もあるんですけど、前育から2点獲ったことで、少しでも良い印象を与えられたかなと。名電の名を広める意味でも、少しは抵抗できたかなと思っています」。

 高校に入学してからずっと目指し続け、3年目でとうとう初めて出場した選手権は、やはり最高の舞台だった。

「気持ちはいつもと一緒で入るんですけど、やっぱり勝手に乗らされるというか、入場の時とかちょっと『自分、プロになったんかな』と思うぐらいで(笑)、他の大会とはすべてが違いましたし、事前合宿から1週間近く家を離れて、30人の仲間とサッカーだけをやるという特別な時間で、それが1年の最後にこういう形で現れて、本当に楽しかったです」。

 最後のPKキッカーになり、責任を背負い込む格好になってしまった中根に対しても、キャプテンは温かい視線を向ける。

「陽向はなかなか事前合宿でもPKが入らなかったんですけど、いつもは“枠外”の陽向が、今日は枠に入れてくれたので(笑)、感謝の気持ちでいっぱいですし、『来年はここにまた戻ってきて、オマエがPKを蹴るんだよ』という話はしました」。

 試合中から笑顔が印象的だった。相手にゴールを奪われた時にも、チームメイトがゴールを決めた時にも、そして、自身がPK戦でキックを成功させた時にも、蒲地は笑顔を浮かべていた。

「もうやれることは全部やったつもりでしたし、逆にそれで点を獲られたなら切り替えないとズルズル行ってしまうと思ったので、笑顔で最後までやることは意識しましたね。そこで僕がブレたらダメだと思っていましたし、そこは最後までやり切れたかなと思います」。

 チームを率いる宮口監督も、今大会の愛工大名電が予選から積み上げてきた成果について、小さくない手応えを感じていたことが、その言葉から伝わってくる。

「前橋育英の彼らは寮生活を送っていて、プレミアに所属していて、今後の進路もサッカーを中心に考えられているはずで、すべてにおいて向こうの方が準備ができていると思うんですよね。それに対して我々はみんな愛知県内の子で、家からの“通い”で、それでもどこまで行けるかを今日は試せたと思いますし、じゃあ次はどうするのといったところが我々の次の課題ですけど、愛知県の力もそんなに全国レベルと遠くないということも示せたのかなと」。

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