中高の先輩・関川郁万も届かなかった日本一を目指す「流経の5番」の継承者。流通経済大柏DF佐藤夢真が国立のピッチに立つ意味
ゲキサカ / 2025年1月5日 10時20分
[1.4 選手権準々決勝 流通経済大柏高 8-0 上田西高 フクアリ]
この3年間で誰よりも努力してきた自負はある。そんな日常が実って掴んだスタメンの座。練習から切磋琢磨してきた127人の代表として、キャプテンマークを託され、憧れのピッチに立っているのだ。自分にできることのすべてを捧げて、勝ち続けていく覚悟なんて、もうとっくに定まっている。
「今までツラい時に我慢して、頑張ってきて良かったなと。自分にはその経験もある分、悔しい想いをしている人の気持ちもわかるので、そういう人のためにも頑張らなきゃいけないなと思っています」。
流通経済大柏高(千葉)を牽引する“ダブルキャプテン”の1人。DF佐藤夢真(3年=FC多摩ジュニアユース出身)はピッチに立つことの叶わない多くのチームメイトたちの想いも背負って、みんなで目指してきた頂点の景色まで突き進む。
「早い時間帯に先制することができて、そこからも前の選手たちが点を決めてくれて、後ろとしてもゼロに抑えることだけ考えていたので、良いゲーム運びができたなと思います」。
終わったばかりの準々決勝を、佐藤は穏やかな表情で振り返る。フクダ電子アリーナに1万人近い観衆を集めて行われた上田西高(長野)との一戦は、前半13分にFW山野春太(3年)のゴールで流経大柏が先制すると、前半だけで6点を奪うゴールラッシュを披露する。
DF富樫龍暉(3年)からFW松本果成(3年)にスイッチした右サイドバック、今季の公式戦初スタメンとなった左サイドバックのDF渡邊和之(3年)、そしてともにセンターバックを務めるDF奈須琉世(3年)と4人で構成するディフェンスラインも、高い集中力をキープ。カウンターを狙う相手に付け入るスキを与えない。
試合終盤の後半32分。上田西はカウンターのチャンスを掴んだものの、いち早く“センサー”を発動させた佐藤は、完璧なカバーリングでピンチの目を完全に潰すと、駆け寄ってきた奈須とハイタッチを交わす。
「彼とは2センターバックを組んでいる分、距離も近いですし、『今はこうした方がいいんじゃないか』というふうに試合中も話し合えているので、本当にお互いが頼っている感じで、やりやすいです」(奈須)
「お互いに仲も良い分、お互いが何をしたいかもわかるので、奈須のカバーはオレしかできないですし、オレのカバーをしてくれるのも奈須しかいないですし、そこは良い関係ができていると思います」(佐藤)
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