チームを最前線から照らし続けた「タイガー軍団のライトハウス」。前橋育英FW佐藤耕太が国立で示した3年間の確かな成長
ゲキサカ / 2025年1月14日 7時35分
[1.13 選手権決勝 前橋育英高 1-1(PK9-8)流通経済大柏高 国立]
自分の成長は、誰よりも自分が一番感じてきた。国立競技場で奪ったゴールの感触は、必ずこれからのキャリアを力強く支えてくれる。みんなで手にした日本一の思い出を胸に、新しいステージでもより大きく羽ばたいてやる。
「初戦からどんどんパフォーマンスが上がっていきましたし、この大人数の観衆の中でも、自分がこれぐらいできるということを証明できた大会だったのかなと思います。優勝できて良かったです」。
前橋育英高(群馬)を最前線で牽引し続けた、15番の頼れるストライカー。FW佐藤耕太(3年=浦和レッズジュニアユース出身)は高校最後の晴れ舞台で、確かな爪痕を刻んでみせた。
「1つ1つのプレーでスタンドが沸いているのを見たら、何か楽しくなってきちゃって(笑)。どんどん乗っていけるような感じで、楽しかったです」。実に5万8347人の観衆を飲み込んだ国立ファイナル。ピッチに足を踏み入れた佐藤は、昂る気持ちを抑え切れない。
前半30分。ビッグチャンスがやってくる。右サイドからDF瀧口眞大(2年)が蹴り込んだクロスへ、ニアに潜ってダイレクトでシュート。だが、軌道はゴールの右へ外れていく。
自信はあった。この2年間はプレミアリーグのほとんどの試合に出場し、世代有数のディフェンダーたちと肌を合わせてきたことで、着実に力を付けてきた。「落ち着いて周りが見えるようになってきて、どこにスペースがあるかも、どこに味方がいるかも、わかってやれているので、相手が来てもそこまでプレッシャーを感じなくなったようなところはあります」。
幅の広がったポストワークはこの世代でも有数のレベル。佐藤が時間を作ることで、その周囲をFWオノノジュ慶吏(3年)が、MF黒沢佑晟(3年)が、MF平林尊琉(2年)が泳ぎ回り、攻撃に厚みを加えていく。その存在感は『タイガー軍団のライトハウス』と言っていいだろう。
押し込まれる展開の中で奮闘していた佐藤だが、後半42分に交代でピッチを後にする。「相手のヒザが自分のヒザに入ってしまったような感じでしたね。もう自分が出続けるより、他の選手が出たほうがいいかなと思いました」。以降はチームメイトに勝利を託し、ベンチからピッチを見つめ続ける。
緊迫のPK戦も楽しむことができたという。「自分は蹴っていないので何とも言えないですけど、みんな吹っ切れたように蹴っていたので、そこまで緊張感は感じていないのかなと思いましたね。藤原(優希)が止めてくれると思っていたので、結構安心して見ていました」。
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