インハイ予選でPK失敗のつらい過去、決勝6人目で美しく決めた前橋育英2年生DF牧野奨「率先して早めに蹴ろうと意識してきた」国立で巡ってきた”本職”起用にも感慨
ゲキサカ / 2025年1月14日 18時57分
[1.13 選手権決勝 前橋育英高 1-1(PK9-8) 流通経済大柏高 国立]
夏のインターハイ群馬県予選準決勝では自身のPK失敗とともに敗退が決まり、7年連続の全国出場がストップ。そんな苦しい過去を持つ前橋育英高DF牧野奨(2年=横河武蔵野FC U-15)だが、国立決勝では練習で積み重ねてきた自信を胸に、堂々とペナルティスポットに立った。
「インハイで失敗して3年生に迷惑をかけてしまい、申し訳ない気持ちがあって、選手権が始まる前から『絶対にPKはあるだろうな』と思っていたのでずっと練習してきた。(準決勝前に合宿を行った)御殿場でもPK練習があって、率先して早め(の順番)に蹴ることを意識してやってきて、しっかり決めてきていたので、それを監督からも認めてもらってキッカーに選んでもらえたと思います」(牧野)
山田耕介監督に託されたのは6人目のキッカー。外せば終わりという状況だったが、精度の高いキックを武器に今大会3アシストの結果を残した背番号29は、恐れることなく自慢の左足を振り抜いた。
「すごく緊張したけど、左足は得意なので、信じれて蹴れば入るかなと思った。インハイの時の変な気持ちもなく、ただ決めてやるという気持ちでした」。蹴り出したボールはキックのお手本のような美しい軌道を描き、ゴール右隅に突き刺さった。
そんな牧野は右足第五中足骨骨折の負傷により、県予選は出場なし。「ケガをしている間も親がずっと声をかけてくれて、入院していた時も毎日来てくれた。ハルさん(石井陽)、スベディ(竹ノ谷)からも『お前なら絶対に戻ってこられるから』と言ってくれて、そのおかげで支えられた」。周囲に支えられながら全国のピッチに立っていた。
今大会は2回戦から準決勝まで左SBの先発を担い、3アシストの活躍。しかし、この日は体調不良明けのボランチMF柴野快仁(2年)が先発復帰し、DF竹ノ谷優駕(2年)が左SBに戻ったため、大会初戦以来のベンチスタートとなり、「悔しい気持ち」をバネに後半42分からピッチに立っていた。
その半面、高まる気持ちも大きかったという。2トップのFW佐藤耕太(3年)のアクシデントによる投入だったため、今大会で結果を出した左SBではなく左サイドハーフとトップ下を担う形となったが、実は小中学生時代に本職としていたポジション。「どちらかというとそっちで勝負していきたい」という気持ちもあり、本領発揮に燃えていた。
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