強直性脊椎炎と闘うタレントの十條莉緒さん「ドクターを調べ上げて病院を渡り歩いた」
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年4月1日 9時26分
【独白 愉快な“病人”たち】
十條莉緒さん(タレント/23歳)= 強直性脊椎炎
◇ ◇ ◇
一度診断がついても治療の効果がなくて、最後はいつも「メンタルクリニックへ行ってみてください」と言われ続けてきました。何軒も何軒も病院を変えて、じつに4年の歳月を経て、ついに「強直性脊椎炎」という難病にたどり着きました。
はじまりは10代の頃でした。胸痛と関節痛に加え、38度ぐらいの熱が頻繁に出るようになったのです。芸能事務所から「体調管理ができてない」と注意を受けるようになって、大学病院を受診しました。採血でCRP(炎症マーカー)の数値は少し高いものの、MRI検査では異常がなく、「ストレスが原因」と診断されました。その後はメンタルクリニックを受診して抗うつ剤を半年間服用しました。
でも体は楽にならず、同じ年の夏には高熱が出て関節痛で歩けなくなり、大きな大きな仕事を降板することに……。掴みかけていた夢は星のようにきらびやかに散っていきました。そこから波乱の闘病生活が始まります。町医者を転々としたものの、どこもコロナ禍のため発熱者は門前払い。自力では歩けなくなった頃にようやく1カ月の入院ができました。
検査の末、腸に炎症があることがわかって「腸管型ベーチェット病」と診断を受けました。治療は潰瘍性大腸炎や関節リウマチにも使われるヒュミラという薬を自己注射すること。しかし、関節痛は治らず、副作用のめまいが頻発するようになりました。仕事の焦りも募り、ちゃんと専門医がいる大学病院で診てもらおうと思い、症例数が多い都内の大学病院を受診し、炎症性疾患に使われるレミケードを2カ月に1回点滴投与しました。
けれど、4カ月通ってまったく良くなる気配がなかったのです。このタイミングで事務所を辞め、治療に専念することにしました。SNSでドクター情報を呼びかけつつ、症例の似ている病気の論文を読んで「これだ」と思ったドクターや病名を調べ上げ、病院を渡り歩きました。
症状が出てから2年が経った頃、満足に動けない状態で受診した都内屈指の有名病院でも原因はわかりませんでした。先生を困らすことしかできない自分と体に嫌気がさし、自分不信にもなりました。
でも、この有名病院の膠原病科の先生と出会ったことで私は救われたのです。経験や生き方が自分とよく似ていました。共感する点が多くて、安心できる存在でした。この先生のおかげで「看護師になる」という目標ができたのです。
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