「ピロリ菌」除菌の効果は胃がんのほかにも影響がある
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年4月14日 9時26分
【医者も知らない医学の新常識】
「ヘリコバクター・ピロリ菌」は胃の粘膜に生育している細菌です。胃の中は胃酸によって殺菌されているので、細菌が生きていることはないと考えられていたのですが、ピロリ菌はウレアーゼという酵素を産生することで、胃酸を中和する働きを持っているのです。
ピロリ菌が注目されたのは、この細菌の感染が萎縮性胃炎という胃炎の原因となり、そこから胃がんが発生しやすくなることが明らかになったからです。それ以外にも胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因にもなります。つまり、胃の病気の多くが、ピロリ菌が原因として起こっているのです。
胃がんや潰瘍のすべてではありませんが、その多くがピロリ菌を除菌することにより、予防されることも明らかとなりました。それ以外にもリンパ腫という血液の病気の一種や、一部の貧血などの原因にピロリ菌がなることも報告されています。
最近、それ以外に注目されているのが、大腸がんに対するピロリ菌の影響です。今年のがんの専門誌に発表された論文によると、アメリカの退役軍人の疫学データを解析した結果として、ピロリ菌に感染していると大腸がんになるリスクが18%増加していて、ピロリ菌がいるのに除菌をしないと、大腸がんで死亡するリスクが40%も増加することが報告されています。
ピロリ菌の除菌は、胃の健康だけでなく、全身の健康にとって重要な治療であるようです。
(石原藤樹/「北品川藤クリニック」院長)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
病気の兆候がわかる便からのSOS!ノールック流しは絶対NG、おすすめは「排便日誌」
週刊女性PRIME / 2024年4月13日 7時0分
-
「酒は百薬の長」は過去の話…2018年の研究で明らかになった、“もっとも長生きできる飲酒量”は?【医師が告白】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月10日 12時0分
-
【名医が教える腸活】健康&スリムな高齢者は“この腸内細菌”が多い!60代から積極的に摂りたい「身近な食材」とは?【アンチエイジング効果も】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月8日 12時10分
-
あなたの腸に足りないのはどんな菌? 元気で若々しい人の腸に多い“5大長寿菌”とは
ananweb / 2024年4月6日 19時0分
-
「韓国人は胃がんの高危険群」…20~30代の発生率急増
KOREA WAVE / 2024年4月3日 13時0分
ランキング
-
1“15年間フルーツしか食べない人物”に起きた驚きの変化。「ラーメンもお菓子も食べたいとは思わない」
日刊SPA! / 2024年4月30日 8時52分
-
2ニトリが布団「Nクール」を自主回収 「中綿」表面に出てくる恐れ……「深くお詫び」
ねとらぼ / 2024年4月30日 12時20分
-
3なぜ辞退しない? 円安物価高の“A級戦犯”黒田東彦・前日銀総裁に「叙勲」のブラックジョーク
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年4月30日 11時3分
-
461歳女性の“還暦ファッショニスタ”が明かす、いつまでも若々しい人たちの共通点
日刊SPA! / 2024年4月30日 8時53分
-
5「パパ活不倫で辞職」宮澤元議員が許された"なぜ" 「記憶にございます」回答で好感度も上がった?
東洋経済オンライン / 2024年4月30日 18時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください