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車イスからの移乗介助はフットレストの外側に足を踏み出す【誰でもできる力いらずの介助術】

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年5月10日 9時26分

「医療や介護の現場で、看護師またはヘルパーがケガをしやすいのが車イスからの移乗介助です」

 そう話すのは、埼玉医科大学医学部客員教授の根津良幸氏。車イスから立ち上がらせようとした際に、足置き場となる「フットレスト」に介助者の足首が当たり、それが原因でケガをしやすいという。

 在宅介護の現場でも車イスを使用する人は少なくないが、ケガをせず安全に立ち上がり介助を可能にさせる具体的な方法について、根津氏に解説してもらった。

①介助者は相手の前に立ち、相手にはフットレストから両足を下ろして膝を閉じてもらう。

②相手の両腕を前で交差させ、片足をフットレストの外側に1歩踏み出す。

③片方の手を相手の肩口から背中に回し、背中の中央に触れて介助者側に軽く押し、前傾させる(写真1)。

④その姿勢のまま、相手の脇の下に両手の中指と薬指を引っかけ、介助者側に引いて起き上がらせる(写真2)。

「介助者は体を持ち上げようとフットレストの手前に足を入れがちですが、これではフットレストの端に自分のふくらはぎが当たってケガをしかねません。フットレストの外側に足を踏み出すのがポイントです」

着座では膝の裏に車イスを接触させる

 さらに気を付けたいのが、立位からの車イス(イス・ベッド)への着座だ。立ち上がり動作よりも力がいらないと思われやすい着座介助では、介助者は相手のズボンの腰の部分を掴んでそのままイスへと座らせようとするが、介護者にとっては介助に不安を感じさせる要因になりかねない。

「介護を受ける人は、車イスと自分の幅が分からないと、果たしてしっかりと座れるのかと不安を感じます。まず、相手の膝の裏に車イスを接触させてください」

 その状態から①介助者は相手の真横に立ち、相手の両腕をお腹の前でクロスさせる。このとき、介助者側にある腕が下になるようにする(写真3)。

②その姿勢のまま、手前(介助者側)にある腕の下から腕を差し入れて、奥の腕に手を置き、中指と薬指を引っかけて両腕を固定する(写真4)。

③介助者は空いているほうの手を背中に回して骨盤に当て(写真5)、「座ります」と声かけしながら両腕で車イスがある後方へと体を押し、「ドスン」とならないよう相手の腰を真下へと下ろす。

「座りが浅ければ、相手の両腕を前で交差させ、車イスの後ろ側から両腕を相手の脇の下から入れて後方へと引けば、深く座り直せます」

 相手への配慮も、力がいらない介助を円滑にする手段のひとつだ。 (つづく)

■詳しくはYouTubeチャンネル「根津式介護技術」

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