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佐々木蔵之介、黒木華ら芸能人の独立が多発…潮目が変わったのは公取委による旧ジャニーズへの“忠告”から

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年4月11日 9時26分

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伊藤沙莉(C)日刊ゲンダイ

【芸能界クロスロード】

 俳優の独立が相次いでいる。佐々木蔵之介、黒木華、多部未華子も所属していた事務所を退所。今後は移籍やフリーなど自身が選んだ道を進む。

 今や独立は当たり前の時代だが、かつて独立にはきなくさい話がつきものだった。事務所側からは「ここまで育てたのに、飼い犬に手を噛まれたようなもの」などと非難があれば、「仕事は増えてもギャラはアップしない」と待遇などの不満を漏らす俳優(歌手)側。独立には決まって対立構図があった。

 どちらにも理はあるが、事務所側の主張を強めに報じる傾向もあった。時には“独立=裏切り者”のような扱い。結果、「独立後、1年間は地上波などメジャーな活動ができない」という暗黙のペナルティーもあったとされる。他の事務所への移籍も「事務所を辞めた人を入れるのは、引き抜きのように見られる」と敬遠された。今のようにスムーズな移籍は難しかった。

 潮目は変わり独立しやすい環境になった。そのきっかけが2019年、旧ジャニーズに対して公取委(公正取引委員会)が独立した元SMAPの3人をテレビ各局が起用しないことを調査。テレビ局が「出演させないようにした疑いがある」とジャニーズに対する忖度を注意した。芸能プロに対して公取委が動いたことは芸能界全体にも影響を与えた。

「ジャニーズは分かりやすい忖度が働いた形でしたが、昔から芸能界にあった“独立した者は干す”みたいな風潮に対して公取委は目を光らせると解釈した」(芸能関係者)

 翌年には“オスカープロ”から米倉涼子・剛力彩芽ら女優が次々に退所する騒動があった。事務所創業者が会長に退き、新たに就任した社長と「仕事の仕方を巡り確執が生まれた」のが理由といわれたことで、非難の目は事務所に向けられる逆転現象が生まれた。

 事務所は違っても独立が増えることで世論の見る目も好意的になり、事務所に忖度していたドラマや映画製作サイドも「いい俳優は事務所に関係なく起用しよう」という機運も高まってきている。

 旧ジャニーズ退所者の錦戸亮がドラマ、赤西仁がCMに起用されているように、俳優にとって働きやすい環境が整いつつある。ただし、誰もがこの環境に適しているわけではない。「この作品に〇〇を使いたい」と指名されるだけの実績などが必要だ。FA宣言した野球選手にどこの球団からも声が掛からないと意味がないように、俳優も確かな自信が必要となる。独立した俳優を見ると、「大丈夫」と思える実力派が揃う。

■NHKの朝ドラは理想的なキャスティング

 使う側も事務所の目を気にすることなくキャスティングできる。ドラマ界で理想的なキャスティングをしているのがNHKの朝ドラ。ヒロインや脇役の一部は原則、オーディションで決まる。作品によっては役に適した女優を選ぶこともある。

 放送中の「虎に翼」のヒロインを務める伊藤沙莉は、「他の女優では想像つかない。彼女しかいない」と視聴者も納得のはまり役と評判もいい。

 民放にも新しい動きがあった。1月期ドラマ「不適切にもほどがある!」で主人公の娘・純子でブレークした河合優実。ドラマ制作者の見る目が確かだった証明でもある。朝ドラ出身者ばかりが注目されるなか、河合の出現は久しぶりに民放の快挙だった。

 俳優の独立はドラマや映画製作側にもさまざまな可能性をもたらしている。

(二田一比古/ジャーナリスト)

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