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ウエンツ瑛士の苦言が象徴するTVの衰退 “パパ活不倫”議員辞職「大々的に報じる必要あるのかな」

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年4月30日 14時3分

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ウエンツ瑛士(C)日刊ゲンダイ

 タレントのウエンツ瑛士(38)が情報番組について物申して話題だ。「パパ活」不倫騒動で、衆院議員を辞職した宮沢博行氏(49)を特集するフジテレビ系「ワイドナショー」で、こう言ったのだ。

「今やらなきゃいけないニュースがめちゃくちゃある中、これを大々的にやってるのは、すごく気になりましたね。必要あるのかなって」

 そして「政治資金規正法の新しい自民党案が出たとか、そういうの本当にちょっとしかやらなくて、これをずっと追いかけてやってるっていうのは、報道の番組でそれは必要ないだろうと思うんですよ。何か政治が良くなっていく流れの中の一個とは思えないし、むしろ他のことを忘れさせるような流れがあるような気がして」と続けた。

 ウエンツはドイツ系アメリカ人の父と、日本人の母親を持つハーフ。東京都武蔵野市出身で、英会話がまったくできなかったが、2018年に渡英し、1年半にわたって演劇と英語を学んだ。そこで見識を備えたのか、「出る杭は打たれる日本のメディアでの勇気ある発言に拍手」と同業者からも声が上がる。

 フジ系「おはよう!ナイスデイ」「とくダネ!」などでリポーターを務めてきた小柳美江氏はこう言う。

「ウエンツさんのおっしゃる通りだと思います。先日も岸田総理が国賓待遇で渡米し、連邦議会で演説したときも華やかな部分の報道ばかりで、あの訪問でどんな約束をしたのか、それは日本の国益になるのかという疑問はほとんど扱われませんでした。私たち国民にとって一番大切なことなのに。旧ジャニーズ問題も昨年ようやく重い腰を上げたのに、今年に入ってまるで一件落着したかのよう。性被害者たちへどんな補償をしたのかまで伝えるのが報道機関の役割なのに、その後の動きを取り上げていません」

 スポンサーの目を気にし、永田町には腰が引け、またジャニーズなど大手芸能プロには忖度というのは今に始まったことじゃないという。

「私自身、もっと他に取り上げるべきネタがあるのにと思いながら、取材をしていたことは多々あります。局側としては視聴率を考えて話題性のあるものを取り上げるのは当然ですが」とも小柳氏は振り返ったが、それでも、いろんな壁にぶつかってきたのだろう。

■他人のフンドシばかり

 ワイドショー出身のメディア関係者は日刊ゲンダイにこう言う。

「数字(視聴率)狙いは昔からですけど、昨今はネットでの再生回数、登録者数などを真っ先に考えて制作しています。時事ネタのみならず、エンタメの特集までも、担当者は自身の感性で選んでいない。音楽評論家も、中村とうようさんや渋谷陽一さんのような、個性豊かな人が出てこない。ワイドショーが、現場取材をしなくなって久しいですが、どのジャンルも現場を踏んでいないのです」

 その結果、どの番組を見ても金太郎飴のようになり、同じネタを繰り返すばかりに。

「取材は独自の画(映像)を狙うのが当たり前だったのが、自分たちで汗をかかず、文春の動画とか、他人のフンドシで相撲をとってばかり。これではディレクターは育ちません。現場で独自ネタ(スクープ)を抜いたり、抜かれたりの経験こそ大切なのに。聞いた話だと、最近のADさんは、ディレクターになりたくないそうです。規制や足かせばかりで取材もできず、プロデューサーに怒られてばかりの姿を見て、そう思うのだとか。それも分かる気がします」

 テレビの衰退は自業自得というわけだ。

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