大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月7日 11時10分
打ちまくり!(C)ロイター/USA TODAY Sports
相手チームにとって手が付けられない存在になってきた。
大谷翔平(29=ドジャース)が、日本時間6日のブレーブス戦で2本塁打を含む4打数4安打3打点の大暴れ。チーム全体の5安打のうち4安打を放ち、地区6連覇中という強豪相手の3連勝に貢献した。
「(1本目は)少し詰まり気味で、入ってくれたらいいという感じ。(中越えに放った今季自身最長141メートルの)2本目は完璧だった」とは試合後の本人。規格外の一発にロバーツ監督は「あそこまでは飛ばせるもんじゃない」と舌を巻いた。
今回の3連戦は計12打数8安打、3本塁打、6打点。いよいよ量産態勢に突入し、4月29日から5月5日までの週間MVPも受賞した(通算8度目)。たが、大谷が打てば打つほど深刻度を増すのがドジャースのDH問題だ。
守備の負担のないDHは本来、野手が休養するためのポジションでもある。昨季ドジャースのDHだったマルティネス(36)は162試合中、113試合に出場しただけ。正捕手のスミス(29)は14試合、36本塁打のマンシー三塁手(33)は10試合、23本塁打のアウトマン中堅手(26)は3試合、15本塁打のユーティリティーであるテイラー(33)は7試合、それぞれDHで出場した。
しかし、今季はここまで打者専念の大谷が、2日のダイヤモンドバックス戦を1試合休んだだけでDHを独占。このときDHに入ったのは主に4番を打つスミスで、他の選手はDHとしての出場がない。ドジャースは今季、大谷がDHを独り占めすることを想定して野手を手厚くし、DHではなく交互に休ませているのだが、このままシーズンを乗り切れる保証はどこにもないのだ。
捕手のスミスは攻守で欠かせない存在だし、オフにFAで獲得したテオスカー・ヘルナンデス外野手(31)は昨季マリナーズでDHとして28試合に出場したように休みながら結果を出すタイプ。さらに守備の拙いテイラーが出ずっぱりで三塁を守るようなら、いくら打ってもザルで水をすくうようなことになりかねない。
かといって、打撃で圧倒的な数字を残す大谷をオーダーから外すわけにはいかない。ここまで52安打もメジャー単独トップ。持ち前のパワーに加えて、今季は技術も突出しているのだからなおさらだ。
ロバーツ監督は大きなジレンマを抱えているようだ。(つづく)
◇ ◇ ◇
大谷をラインアップから外さず、DHの枠を他の選手にも解放する方法はただひとつだけある。大谷を守備に就かせることだ。
●関連記事【続きを読む】…では、昨年9月に右肘の手術を受けた大谷が予定を前倒しにして外野守備につく可能性などについて詳しく報じている。
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