1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

正規ディーラーの「認定中古車」が人気のナゼ? 新車価格を上回ることも

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月14日 9時26分

写真

ビッグモーターの不正が影を落としたが…(C)日刊ゲンダイ

 2023年の中古車登録台数は前年比2%増の356万2068台(日本自動車販売協会連合会発表)。中古車販売会社ビッグモーターの不正の影響が懸念されたが、今年に入っても中古車販売は好調で1~3月累計で98万2014台と、前年比4.6%の伸びを示している。

 コロナ禍や半導体不足からメーカーの生産工場がストップするなど新車の納入は今も注文に追い付いていない。その影響から中古車オークション市場では出品が揃わず、中古車相場は依然高値水準が継続されている。

 こうしたなか、メーカーの正規ディーラーは、店頭に新車と共に「認定中古車」と明記した中古車の販売に力を入れている。認定中古車の販売を始めたのはコロナ禍の直後からだと、トヨタ自動車正規ディーラーの営業マンが言う。

■人気車種は納入まで1年

「お客さまに納期を確実にお伝えできるように、本社が生産台数を制限しているため、アルファードやプラドなど人気車種は納入まで1年ぐらいかかる状況です。しかし、中古車でもすぐに欲しいと言われるお客さまは多く、査定士の資格を持つ販売員が保証する2~3年落ちのトヨタ車を『認定中古車』として販売しています」

「認定中古車」には一定の検査基準が設けられ、そのチェックは厳しい。まず正規のディーラーが運営する販売店の中古車であること。そして新車登録後年数、走行距離、修復履歴、キズ、へこみがないなど新車に近い状態かを11項目で総合評価される。さらに、外装、内装評価を5段階で評価。新車同様のクリーニングやロングラン保証も付いてくる。

 中古車市場の相場は、品薄が続くことから一昨年のウクライナ紛争や半導体市場の停滞で相場が高騰した当時とほぼ同じ水準まで高まっている。そのため、中古車専門店の価格が新車価格を上回ることも珍しくない。ただ、先のトヨタディーラーでは新車で380万円のラブ4の認定中古車の販売価格は300万円と、認定中古車は中古車専門店の価格より安いうえ専門家の保証付きがメリットだという。

「認定中古車」はトヨタに限らず、他のメーカーでも販売しているが、新車販売で下取りした中古車をメーカーがドレスアップし、認定中古車として商品価値を高めて販売するのも新車の供給不足によるディーラーの新しい対応だ。佃モビリティ総研の佃義夫代表がこう述べる。

「ディーラーは新車が入らず、値引きもほとんどできない状態でインセンティブ(報奨金)も少なくなっています。販売競争が激しく、中古車を高商品化して販売する中古車ビジネスで収益を上げなければ、ディーラーの経営が成り立たない状況が強まってきているんです」

「認定中古車」販売は今後も増えていきそうだ。

(ジャーナリスト・木野活明)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください