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U30世代に政治参加を促す能條桃子さん「20代の国会議員が1人もいない。だから少子化対策もずれてしまう」

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月5日 9時26分

U30世代に政治参加を促す能條桃子さん「20代の国会議員が1人もいない。だから少子化対策もずれてしまう」

NO YOUTH NO JAPAN 代表理事の能篠桃子氏(C)日刊ゲンダイ

【注目の人 直撃インタビュー】

 能條桃子さん(NO YOUTH NO JAPAN代表理事)

 自民党の裏金事件で政治不信がますます進んだと言われるが、若い世代はこの惨状をどう捉えているのだろうか。投票率を見ても、10代や20代は低く、政治への関心は乏しい。いや、その方が都合がいいと政治の側が思っているのか……。U30世代にフォーカスして政治参加を促し、情報発信を続けるこの人に聞いた。

 ◇  ◇  ◇

 ──裏金事件をどう見ていますか。

 自民党はこんなに反省しないんだって、びっくりしています。裏金を政治資金収支報告書に記載しなかった問題は最初の入り口で、やっぱり、資本(資金)を持っている人の意見を聞いてもらいやすい構造があるんだなと。例えば、裏金問題と同時並行で国会で審議されていた共同親権とか、入管法の改正で永住権を剥奪できる法案が通ってしまったりだとか、その議論には当事者がいない。一番困る人、実際に直面する人たちが軽視されている。なんでこうなっちゃうんだ、ということが結構あって、裏金問題がそれとつながっていると見てて思います。

■NPOもパーテイー券でロビー活動

 ──政治とカネのバーターみたいなものですね。

 今、被選挙権年齢引き下げのロビーイング活動をしていますが、NPOの先輩たちなどに活動方法について聞くと、結局、パーティー券って言葉が出てきます。政治的なリソースをきちんと使って政策実現しているようなNPOの人たちも政治資金パーティーに行っている。私たちには、若いからそんなことやらなくていいよ、と言うのですが、もちろん別にやろうとは思いませんが、実際に企業に対抗するためにNPOでもパーティーがコミュニケーション手段のひとつになっている。良くないなと思います。

 ──そうした政治とカネの関係性が見えたのが今度の事件でした。政治のあり方で、他に疑問に感じることはありますか。

 参入障壁がどんどん高くなっていき、当事者など多様な立場の人たちが議会に入れない現状がある。女性議員も少ないままだし、いろんな階層が代表されていない。年代も、ジェンダーも、経済状況においてもです。だから、政治が信用できない。信用できないから、税金を払うのも嫌だし、政治に関心も持てないし、投票にも行かない、という負の循環にあるのかなと見ています。

 ──若い人たちにとって、自分と政治との距離は?

 NO YOUTH NO JAPANと日本総合研究所とで、2022年の参議院選挙の時に、5000人を無作為抽出した政治意識調査を行ったんです。結果を5つにタイプ分けし、一番多かったのが約4割の「らっカンガルー」タイプ。「今に満足。なんとかなるかな」という楽観的な人たちでした。その次は約2割の「ふあんシカ」タイプで、「将来不安。でも、自分が変えられるとは思えない」という人たち。私みたいに「政治を変えたい」と思っている「かえなキャット」は、全体の15%程度でした。同じく約15%が、「がむしゃラッコ」と名付けたんですけど、社会課題に直面しているものの、目の前の生活に精いっぱいで、関心を持って活動も行動もできない、という人たちでした。残りは1割弱の「むきりょクマ」。

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