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会社の窓口には相談しにくくて…ハラスメント相談代行のメリットと「3つの事例」

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月21日 9時26分

会社の窓口には相談しにくくて…ハラスメント相談代行のメリットと「3つの事例」

斎藤知事(右)は維新とも深いつながり(C)共同通信社

兵庫県では県知事のパワハラで職員が犠牲に

 厚生労働省は全ての企業に対して、ハラスメント防止対策を義務づけている。大企業に対しては2020年6月、中小企業は22年4月からだ。パワハラ防止法は地方公務員や教職員にも適用されるが(国家公務員は別途人事院規則で規定)、そんな折も折、知事のパワハラ疑惑を告発した兵庫県職員が亡くなってしまった。

  ◇  ◇  ◇

 ハラスメント相談窓口の設置には準備が必要だ。ハラスメント定義の基礎知識を社員に周知してもらうなどの社員教育や被害者が安心して相談できる体制を整えること、通報者が不利益な取り扱いを受けないような秘密保持、さらに問題を追及して対策防止にあたるなど、コンプライアンスを推進するための取り組みが重要視されている。

 とはいえ、社員が通報しにくい環境だったり、コンプライアンス担当者の精神的な負担を軽減したいと考える企業のために、外部相談窓口サービスとして23年3月に企業の内部不正・ハラスメント(パワハラ・セクハラ)の相談窓口、循環取引などの内部通報窓口を代行する「日本公益通報サービス」(本社・横浜市)が誕生した。

 代行の仕組みは契約企業の代わりに、通報者から電話で相談を受けた相談員(心理カウンセラー)が相談内容を整理して、企業のコンプライアンス担当者に報告。報告を受けた企業のコンプライアンス担当者が事実確認の調査を行い、調査が完了すると日本公益通報サービスに結果報告をする。それを通報者に伝えるという流れだ。

 通報者が直接コンプライアンス担当者とやりとりをすることがないため、通報しやすいというメリットがある。

 開始から1年半近く経った今も月に14~15件の相談が寄せられている。相談内容はパワハラ、モラハラ、セクハラ、いじめなどだ。内容を弁護士に監修してもらい、フィードバックもする。

 事例をもとにひもといてみよう。

【事例1】定年退職後の新しい職場で年下の管理職から「無視」

 千葉県内のベッドタウンにある学童保育施設に23年4月から勤務したAさん(65)。元教師であるAさんは定年退職後も教育関係に就きたいと願い、大手教育関係の企業に登録して第二の人生のスタートを切った。

 ところが、やる気をそぎ落とされることが待っていた。

「30代の男性施設長が仕事をくれないんです。挨拶しても口をきいてくれない、仕事の指示を出さない。『話しかけないでくれ』というオーラが出ているので、聞きづらくなって仕事が滞るんです。子供たちが敏感にキャッチして、いらつくのもつらくて……。年上の自分を尊重してくれないこともつらいです」

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