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白井貴子さんが語るモントリオール五輪女子バレー「金メダル」と“ひかり攻撃”誕生秘話

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月24日 9時26分

 決勝戦。メンバーを見た瞬間「勝ったな」と思いました。仮想ソ連そのままのメンバーでしたから。ソ連はメキシコ大会、ミュンヘン大会の優勝ではセッターのブルダコワがよかった。ギリ監督との息もとても合っていた。

 ところが、代わって起用されたベルゲンは気が弱くて。点を取られるとバタバタする。日本語で「しっかりしなさい」なんて言うと、それが雰囲気でわかるみたいでショボンとするの。そしてギリ監督がタイムアウトを取り、テーブルに座って「君たち、何をしているの?」とやっているのを見て、「勝った」と思いましたね。

■「涙のない優勝」の理由

 1セット15-7、2セット15-8、3セットは15-2。3-0の完勝。

 3セットは0点で勝ちたかった。でも、高柳昌子のイージーミスで点が入りました。私は彼女を見て鬼のような顔で怒りました。彼女はあの時の私は本当に怖かったと今でも言います。

 私も最後にミスをしました。3セットのマッチポイントでは2アタックを決めたけど、その前にものすごくいいボールが上がり、エースとしてはそれをバシッと決めなきゃいけなかった。金メダル! と思ったら肩に力が入り過ぎたみたい。あの試合で初めてアタックがアウトになった。あれだけは悔いが残ります。

 勝った選手はエンドラインに立って必ず泣きます。でも、私はメンバーに「絶対に泣くな」と言いました。ソ連以上に苦しい練習をやり、力は間違いなく日本が上。他の国とは違う、他と同じようにメソメソ泣くなと言いたかった。その代わり控室で泣こうと。それで「涙のない優勝」と言われました。

 今週開幕するパリ大会の女子代表は組み合わせ次第。どうしても得意な相手、苦手な相手があります。対戦相手に恵まれた時は期待できると思います。

(聞き手=峯田淳/日刊ゲンダイ)

▽白井貴子(しらい・たかこ) 52年、岡山市生まれ。元日本代表のエースアタッカー。72年ミュンヘン五輪で銀、76年モントリオール五輪で金メダルに輝く。2000年、バレーボール殿堂入り。

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